トヨタ・ヤリス、ヴィッツから大変身 新型パワーユニット、運転支援システムなど盛りだくさん

2019年10月23日 08:12

 トヨタは、「ヴィッツ」をモデルチェンジして「新型ヤリス」として発表した。世界市場のネーミングは以前から「ヤリス」であった。日本市場を世界市場に合わせた形だ。新型ヤリスのモデルチェンジは徹底したもので、TNGAの方針に従って、世界戦略車としての合理化の全てを受けている。

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 蛇足だが、「TNGA」を未だに専門家が「単なる技術的方針」と勘違いしているのは驚くばかりだ。その最終目的は決算であり、表面に数字で出ないが「資金効率の向上」である。その一部にセグメント設計、混流生産など生産技術があり、「共通部品」などが考えられている。

 今回の新型ヤリスのパワーユニットは、何らかの場面でトヨタ他車との共通化が図られており、新型ヤリス用に開発されたものでも、いずれは他車に使われることとなる。今回のエンジンは1.5リットル直列3気筒で新開発だが、すでに発売されている4気筒2リットルエンジンとモジュラー設計されている。

 かなりのロングストロークで、トルク重視の熱効率向上を求めたエンジンである。熱効率40%を超えたものと見られ、マツダのスカイアクティブXエンジンなどで試されている超希燃焼エンジンを除けば、現代の最先端である。

 これもマツダを追っているのであろうが、トヨタは実用化が進まないと発売してこない。いつか希燃焼エンジンを大量に発表してくるのであろう。

 HVシステムも効率を上げてきており、トヨタが持つHVユニッの効率を上げているようだ。今回のヤリスはニッケル水素電池からリチウムイオン電池に変えられており、運転支援システムなどを合わせて、安全・燃費向上に関する技術は車格による差を出来るだけ少なくして来ているようだ。これは、世界的に自動車メーカーの共通認識であり、自動車の基本性能として認められてきている。

 これら技術的進歩においては、ネット技術だけでなく、超ロングストロークとなってもシリンダー内の摩擦抵抗や発熱の問題を解決するなど、メカニズムとソフトを繋ぐ技術開発も進んでいる。最近のクルマは、低速トルクの向上によりますます実用域での運転が易しくなり、今回のヤリスのようなコンパクトカーでもさらに進歩していると見て取れる。

 陰に隠れた技術だが、新型CVTの構成も発進用1速ギアを別に持っているタイプなどがある。使い方により最適な変速機を選ぶなどして、燃費向上に向けた努力が思わぬ新機構を作り出すきっかけとなっているのが、喜ばしい限りだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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