小型車を「安全性重視」で買うなら「マツダ3」 欧米で優れた安全性を証明

2019年10月22日 08:55

 日本製鉄が台風15号や火災の影響などで、自動車部品に使う特殊鋼の国内2工場(君津・呉)を長期停止するというニュースがあり、トヨタも日鉄以外から調達を考えるという。日本の鉄鋼メーカーでは、最近、次世代の高張力鋼板(ハイテン)で基礎研究が終わって新しい段階に入り、付加価値の高い鋼板の量産が目されているため、いち早い操業開始を祈るばかりである。

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■マツダ3、世界で初めて最高強度1.3GPa級の高張力鋼板を使用

 2019年5月に発売された「マツダ3」には、現在実用化されている冷間プレス材としては最高強度である1.3GPa級の高張力鋼板が使用されている。世界で初めて採用したのだ。

 欧州メーカーなどは自動車のボディについてマルチマテリアル化が進んでいるが、日本車はまだ鋼板のみを使用したクルマがほとんどである。しかし、この技術を侮ってはいけない。

 最近「刀剣女子」なるものが密かにブームになっているそうだが、その日本刀独自の焼き入れに通ずる技術が高張力鋼板を造る技術に宿っている。これは、日本人独特の感性なのかもしれない。高張力鋼板は、日本刀と同様に、強度(引っ張り強さ)と靭性(粘り)の微妙なバランスが製品の命なのだ。

■米のIIHS(道路安全保険協会)で「安全賞」を受賞

 世界で初めて最高強度である1.3GPa級の高張力鋼板を使用したマツダ3だが、米国IIHSが行う耐衝撃性能試験において、「2019トップセーフティピック」を受賞した。

 前面衝突、側面衝突、追突想定、運転席側・助手席側のスモールオーバーラップ衝突、ロールオーバー(車両転覆)の全てにおいて、最高の「GOOD」評価を得た。また、前面衝突予防評価では最高の「スーペリア」の評価、ヘッドライトの性能評価は「十分に良い」を獲得している。

 特に、前面衝突予防評価で最高の「スーペリア」を獲得しているところをみると、やはり、最高強度である1.3GPa級の高張力鋼板を使用したことが成果を生んでいると考えざるを得ない。

■マツダ3、ユーロNCAPの衝突安全性試験でも5つ星

 新型マツダ3は、2019ユーロNCAPのクラッシュテストにおいても、総合評価で5つ星を獲得している。「成人乗員保護性能」で98%、「子供乗員保護性能」で87%、「歩行者保護性能」で81%、「安全補助装置」で73%という評価を得て、全ての項目で基準を上回り総合5つ星を獲得した。

 特に、「成人乗員保護性能」と「子供乗員保護性能」の評価は、5つ星を獲得した他の日本車(トヨタ・RAV4、トヨタ・カローラスポーツ、レクサスUX)よりも高評価を得ており、ユーザーとしても「安全性が高いクルマ」としてマツダ3を認識すべきなのだろう。マツダとしても、プレミアムブランドとしての1歩を確実に踏み出しているのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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