北朝鮮SLBM発射か 軍事産業と自動車産業の関係は? (1/2)
2019年10月3日 17:52
北朝鮮のSLBM完成が間近のようだ。韓国との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の問題があるのだが、これは日本人として、民間取引の上でも「核武装」の本質を理解しておかねばならない時代となったようだ。
北朝鮮、中国、ロシアにSLBMがあり、近い将来、もし韓国が北朝鮮と統一すれば、韓国もSLBMで核武装した国となる。そうなると、日本も独立を保つためには、SLBMを持つ必要が出てきてしまう。今回は、自動車産業と核武装の技術的なつながりを見つめてみよう。
現在の核武装においては、潜水艦搭載SLBMでなければ「張り子のトラ」だ。ICBM(大陸間弾道弾)などが話題になっているが、実際の核武装としてはそれでは「抑止力」にもならず、役には立たない。特に、北朝鮮の液体燃料によるICBMなどは実践の役には立たず、核武装開発の途中経過と見てよい。
■「核戦略」のかなめは「抑止力」
核兵器は、「使用したら必ず報復を招き、自国も消滅することを覚悟しなければならない」ことが絶対の条件だ。それが「抑止力」として働くからだ。その意味ではICBMはもう役には立たない。
今年、中国が「建国70周年」の軍事パレードで見せた新型ICBMは多弾頭(10個)型と見られている。これは弾道の最終局面で10個の弾頭に分離し、それぞれの目標に誘導されることを示している。そしてこの弾頭の数では迎撃は不可能と思われ、日本が導入を決めた「イージスアショア」など現在までの防衛システムでは迎撃が不可能だ。数兆円をかけても配備された頃には、「無用の長物」となる可能性が高いのだ。
アメリカやロシアのICBM弾頭の誘導精度は、1万km飛んで2~3mと言われている。この精度であると、ICBMが岩盤の地下サイロに隠されていても、攻撃を受ければ生き残ることは難しく、先に攻撃したほうが有利となってしまう。
そこで所在が分からない潜水艦にミサイルを積んでいれば、本国が消滅しても必ず報復を受けることは確実で、「抑止力」となる。そのため、ロシアはオホーツク海に大型のSLBM搭載原子力潜水艦を回遊させており、アメリカの核攻撃を許さない体制をとっている。
中国はこの点で回遊させる海域を持っておらず、南シナ海を自国の海と主張し始めたのは、南シナ海から日本海溝を経てアメリカ本土近くまで展開できる、制海権のある海域が欲しいのだ。
そこで、SLBM搭載の原子力潜水艦を建造してきているのだが、つい最近まで、アメリカ軍と日本の自衛隊に発見されてしまうほどの技術力であった。日本の南の島は、中国にとって真に厄介な島々で、軍事戦略的に沖縄は最重要拠点と言ってもよい状態なのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)