トヨタ・カムリ、マイナーチェンジしてコネクテッドを前面に
2019年10月2日 16:03
「セダンは売れてますか?」と言ってしまうほど、最近の自動車市場ではSUVが売れている。普通車新車販売の半分以上はSUVと思っているが、どう変化してるのか?ポルシェでさえSUVの販売台数が8割だと言う。いまどきセダンで生き残れるのかと心配していたが、北米では売れているようだ。
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トヨタ・カムリの基本は、FFのさりげないセダン。北米では小型車だ。無難なクルマとの評判で売れている。故障も少なく乗り心地も良い。現在のモデルになってから試乗してみて無難そのものだが、走りはそれほど悪くない。日本国内ではマークXに替わるモデルだから、無難なクルマに変わりはない。
今回、トヨタ・カムリは小改良を加えてきた。主にソフト面の改良で、コネクティッドサービスを充実している。スマホとの連動を強化して、ディスプレイオーディオ(DA)と車載通信機(DCM)を全車に標準装備してきた。「LINEカーナビ」「Apple CarPlay」「Android Auto」となんでもあり、さらに、エントリーナビキットとT-Connectナビキットもある。トヨタらしいフルキットだ。
後方確認ブラインドスポットモニターを装備、後退時に左右後方の確認をし、接近車両を検知したときにはリアクロストラフィックオートブレーキ(パーキングサポートブレーキ)でブレーキをかける。装備は一部グレードだけとなっているが、これは全車標準装備とすべきであろう。世界的には、運転支援システムに関しては、車両のグレードなどで差別せずに全車標準装備する傾向にあるが、トヨタはグレードで差が出るようだ。
これには納得がいかないが、トヨタのマーケットリサーチがそのようなデータを出しているのであろう。フルラインナップのトヨタであるからこそだろうが、これはマーケットリサーチの結果によるのではなく、必要な運転支援システム、特に安全にかかわることに差を設けるべきではない。トヨタが世界の市場を引っ張る意味で、標準装備としてもらいたいものだ。
トヨタ・カムリの全グレードに設定の「E-Four」は、後輪をモーターで駆動して4WDとするものだが(最高出力7.2PS/最大トルク55N・m)、FFから4WDに切り替わるタイムラグが雪道での実用性に制限がかかっている。プリウスでは30km/h程度までの対応だったが、性能は向上できたのであろうか。この4WDシステムは、雪道などでの緊急用に威力を発揮するため、スリップが始まって4WDが起動するまでのタイムラグの解消は非常に大事だ。
トヨタのフルラインナップ体制は、相変わらず販売の要のようだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)