「地味・派手」は紳士の身だしなみ ジャガー・XFスポーツブレイク ステーションワゴン

2019年10月2日 11:55

 「地味・派手」を知っているだろうか?遠目から見ると「地味」に見え、近くで見ると「派手」な模様や色遣いであるのが、「紳士の身だしなみ」といった風情のことだ。

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 「ネクタイのおしゃれ」を楽しむ紳士は、これを旨として選ぶことだ。スーツの生地を選ぶにも基本は同じだ。男性の服装で大幅な変化を出せなかった時代に、静かに浸透していたおしゃれの基本だ。

 久しぶりに、ジャガーのステーションワゴン、ジャガー・XFスポーツブレイクが登場した。ステーションワゴンと言えば「スポーツワゴン」で、つまりGTであるのだ。欧米社会は昔から豊かで、ロングバケーション、つまり長期休暇をとって旅に出るのが常識であった。そこで、ステーションワゴンが半世紀以上前から発展しており、荷物を積んで長距離を快適にドライブできるGTの作りになっていたのだ。

 筆者がスポーツワゴンと言われたジャガーのステーションワゴンに出会ったのも、半世紀以上昔であったと思う。日本では、商業用の「ライトバン」と乗用車を基礎とするステーションワゴンの区別が出来ず、車種も限られていた。記憶に残るのは、スカイラインステーションワゴン、クラウンステーションワゴンぐらいだ。「ライトバン」は荷物を積むトラックを基本としており、リジットアクスルに板バネが長く残っていた。

 だからミニバンブームがやってきた時も「ライトバン」のイメージが強く、乗用車に替わって所有する気になれなかったのが年寄りの現実だった。そして、オフロードカーを基とするSUVが全盛となろうとしている現在でも、ラリーで砂漠を走る三菱・パジェロのイメージが強く、今でもなかなか受け入れられない。

 しかし、ジャガー・XFスポーツブレイクは現代のGTのイメージが湧いて、かつての欧米の生活スタイルに対する「あこがれ」を思い出す。

 4WDはジャガーでも歴史がある。かつてジャガーの小型乗用車はフルタイム4WDで、そのステーションワゴンの購入を薦められたことがある。その当時は「人気のない売れ残りのワゴンを捌く」といったところで、悲しい限りだった。性能においても、日本車スバル・アウトバックに敵わず、値段は100万円ほど高かった。

 実用車としての購入だったので、ジャガー車を選ばなかったが、今になっても郷愁が湧くのはなぜであろうか?

 新型ジャガー・XFスポーツブレイクのボディサイズは、全長4965×全幅1880×全高1495mm、ホイールベース2960mmで、日本国内では取り回しに少々の注意が必要だ。ジャガー車はロングホイールベースの車でも、直進性が悪かった。現代では修正されているが、GTであるには直進性は最重要性能だ。

 ロングノーズのシルエットは、やはりジャガーを連想させるので、どれほどeが「素敵」と言われても、FR、直6、あるいはダブルシックス(V12)のシルエットが欲しいところだ。

 ビートルズの故郷は言わずと知れたイギリスだ。イギリスには進歩的なところと伝統が調和している。そんな紳士のおしゃれの基本、「地味・派手」なクルマはいかがであろうか?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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