最も「第4次産業革命」に近い企業 働く車を造るコマツが行う地域密着イベント
2019年8月29日 08:33
小松製作所(KOMATSU)は、「コマツ」と名乗っている。伝統ある企業であり、いちはやくネットにつないで世界に展開する自社の建設機械の情報を集め、リアルタイムで個別の位地情報から稼働状況を掴んでいる。故障の情報を得るだけでなく、事前に整備情報を顧客に提供して、故障する前に整備点検することを可能としている。
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現在、「第4次産業革命」が進行していると言われているが、こうしたネットとつないで情報管理をすることが第一歩と言える。コマツは、生産方式についても「多種少量生産」に早くから取り組み混流生産を可能したラインとし、資金効率の高効率化に成功している。
現在では、前記の整備システムを使い、機械が故障する前に整備して稼働率を上げ、顧客の資金効率をも上げている。生産量の少なさから自動車産業のトヨタ自動車よりも混流生産の必要性は高く、大きな成果をあげている。
こうした試みは航空機にとっても死活問題で、エンジンなどの整備では急速にシステムが整備されつつある。自動車の世界にも普及が考えられるのだが、産業用機械でないためか思ったより整備システムの更新は進まない。自家用車においては、資金効率を考える必要が低いためであろう。
コマツは企業として地域に社会貢献することを重要視し、日本国内での生産を保とうとしてきた。こうした姿勢から、地域との交流を重要視したイベントなども開催している。このほど「コマツ湘南工場フェア2019」として、10月13日に地域住民を招いて建機を使用した様々なイベントを開催する。
実際に乗車して撮影が可能な建設機械展示を実施し、建機によるデモンストレーションを見せ、ミニショベルでのボールすくいなどを行う。建機の操縦は、その大きさから難しいと思いがちだが、意外に自動化が進んでいるため操作しやすい。しかし、パワーシャベルの操作は繊細さを極め、ベテランのパイロットとなると数ミリ単位で動きを把握している。建設現場での安全性の確保は、やはり操縦性能が基本となる。
現在ではAIによる自動操縦が当然となり、まだ場所は限られるが、完全無人運転が実施されている現場もある。ドローンによる測量から始まり、設計通りの形状に掘削や成型することが実用化されている。日本の産業界としては、コマツは頼みの綱である。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)