クルマのバネ下重量 純正アルミホイールは重い? 走る性能と乗り心地?
2019年8月16日 17:57
クルマの「バネ下重量は軽いほうが良い」と言われてきており、疑いを持たずにいた。「バネ下重量」とは、自動車のサスペンションで支えるタイヤとホイールがメインの重量で、路面への接地性能を左右する重要なファクターだ。その他、「バネ下重量」にはタイヤを取り付ける部品である「ハブ」や「ブレーキ」などの重量があるが、それらは車両の違いでそれほどの差が出るものではない。
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だが、EV(電気自動車)の「インホイールモーター」はハブなどに取り付けるモーターのため、バネ下重量がかさむこととなる。しかし、インホイールモーターは、車両のパッケージに大きな貢献をするため、これから軽自動車規格の車などでは大変有望な装備となるだろう。小型軽量モーターの開発が進めば、インホイールモーターが標準となる時代が来ることとなる。その時代はすぐそこまでやってきていると言える。
アルミホイールがメーカー純正部品として取り入れられるようになって30年以上たっているはずだ。その間、軽量化が進められてきているが、メーカーが軽量化に慎重なのは、当初は安全性でありコストを抑えるためだった。現在では、純正品が必ずしも重くはない時代となったが、市販品が無理をして製造しているのではないことを祈りたい。
というのは、アルミホイールはアルミ鋳造がほとんどで、強度において、短期間の信頼性は確かめられるが、長期の耐久性についてはやはり安全性のマージンを多くとったほうが良いからだ。品質面で不安があるメーカーはまずないが、タカタのエアバッグのように、「想定外」も予想したほうが良いのだ。
軽自動車でも15インチという大きなタイヤを装着する時代となった。現在の軽四輪と寸法的に近かった初代カローラでは13インチタイヤが標準だった。15インチタイヤはクラウンクラスで採用されていたもので、小型車でも14インチが標準だった。それが現在、17インチ標準と言う車両が当然となり、タイヤ幅も215など幅広であるため、「バネ下重量」が重くなりすぎていないか心配になる。
トヨタ・プリウスの16インチタイヤでは、若干バネ下がバタつく感がする。それでも乗り心地と走行性能の高さには驚かされる、最近のクルマだ。サスペンションの工夫も大きな進歩を見せており、カローラスポーツでトヨタが見せるサスペンションオイルの進化は、驚愕だ。ダブルショックアブソーバーの領域を低コストで実現しつつあり、その進歩を楽しみにしている。
サスペンションの技術開発が進めば、幅広タイヤと大径ホイールを採用する傾向は強まるだろう。その中でメーカーは必ずしもホイールを軽くする方向だけでなく、サスペンションの動きを加味して、実用と走行性能のバランスを調整しているようだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)