予防安全性の進歩 ホンダ・新型N-WGN、ダイハツ・新型タントなど
2019年8月14日 11:20
クルマの「予防安全」と言えば、現代では運転支援システム、スキッドコントロールなどの事故を起こさないための装置を指すようだ。一方、事故になったときには、ボディの強さや衝撃吸収力、エアバッグなどの装備が問題となる。
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これは昔から変わらぬことだが、一番大事な安全性は「走る」性能ということだ。その中でも、基本性能である「止まる」性能は大変重要で、ブレーキ性能が持続して高いということが基本となる。制動距離の短さだ。
近年のホンダ・新型N-WGN、ダイハツ・新型タントなど軽四輪自動車の性能向上は目覚ましいものがある。運転支援装置など上級車と変わらぬ装置が全世界で装備されるようになったことは、大変歓迎すべきことだ。しかし、軽四輪自動車で気になるのは、背の高さと、クラッシャブルゾーンがどうしても少なくなってしまうことだ。
軽四輪自動車ホンダ・新型N-WGN、ダイハツ・新型タントなどを見ると、どうしても寸法に制限があり、客室を広く取ろうと工夫すると、パッケージングとしては前後のオーバーハングが少なくなり、サイド衝突にはかなりの弱点が考えられる。しかし、現代のボディ設計では、正面からの衝突でも後部構造物に衝撃を伝えてボディ全体で対応するなど、構造的に優れたものになってきている。
ハイテン、アルミ、カーボンなど軽量な材料を安く使えるようになってきており、強度はまだまだ高くなっていけるものと言える。また、車体の背の高さは重心の高さに直結しているはずだが、重量物を低い位置に持って行ったりなどして重心を下げる工夫も盛んだ。
その昔、予防安全性の手法として「走る」基本性能を上げることで、回避性能などの向上につながるとしていた。スカイラインの宣伝では「積極安全性」と言っていた。これも大切なことで、「走る」性能が高いほうが回避能力は高いことは確かだ。その意味で軽四輪自動車についても、「走る」性能を向上させてきたことは正論だ。
ユーザーは日常の使い勝手に集中してしまう軽四輪自動車選びだが、実用性能にプラス「走る」基本性能を見極める努力が重要だ。車両規格が制限されているからこそ、車両ごとの特性も出るものだ。
日本の軽四輪自動車では、どの車両を見ても実用性と共に高い走行性能を持っているので、どれを選んでも基本性能に問題はないようだ。しかし、そうはいっても重心の高い箱型が走っていることを忘れないようにしっかりとチェックしよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)