ロッテのホカロンは、日本発の世界的発明品
2019年7月17日 08:20
シーズンオフである。が、いまなお手放せないものに、「使い捨てカイロ」がある。生来の腰痛持ち(中学生時代には朝礼の折に立っていられなくなり、座り込むといったこともあった)に加え、脊柱管狭窄症の影響で「腰から右足の痛み・痺れ」から長時間の歩行が困難になり50mも歩いたら一休みといった事態に陥ることがある。
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整形外科で治療(神経系の痛みを和らげる点滴・薬服用)を受けつつ「何かいい方法はないか」とネット検索をして、ある整形外科医のこんなアドバイスを目にした。「原因は多様だが腰痛を伴う諸症状には、尾骶骨の上部左右に使い捨てカイロを張ると効果が認められる」。実践している。確かに心地よさを覚える。習慣化してしまった。
調べてみると、冬場に暖をとる「カイロ」は江戸時代の「温石(おんじゃく、石を温め懐に入れる)」が原点とか。明治時代には「懐炉灰(かいろはい:麻殻や炭粉を容器の中で燃やす)」が重宝され、大正から昭和にかけては「ベンジンカイロ(ベンジンを気化させて燃やす)」が主流だった。だが私にとってはまさに「世紀の大発明」がなされたのは、1978年のこと。
現在の旭化成が米軍のフットウォーマー(足先の冷えを癒す製品)を参考に、鍼灸院向けなどに開発・販売を開始した「暖商品」。現在の使い捨てカイロとはいささか勝手が違っていたが、着目したのがロッテ。同様のコンセプトの商品開発と取り組んでいた現:日本バイオマスと共同開発したのが「ホカロン」(ちなみにシーズンオフのいま、私はロッテの通販で入手して使用している)である。
人気を博したからであろう。同業他社が相次いだ。原理原則は「鉄が錆びる(酸化する)時に発生する、酸化熱を活用するメカニズム」。大雑把にいうと、使い捨てカイロの外袋を開けるとカイロが現れる。包んでいる蓋用紙には小さな穴(目での確認は無理)が開いており、そこから空気が入り酸化し熱を発するという次第。
よく「腰痛という病気はない」という。が、腰痛を伴う諸症状が生活に影響を与えることも事実。「たかが張るカイロ」だが私には「されど張るカイロ」である。同様の苦しみを抱える読者も少なくないのではないか。「尾骶骨の上部分に2枚の張るカイロを縦に張ること」をお忘れなく。日本の使い捨てカイロはいまや世界的に愛用されている。(記事:千葉明・記事一覧を見る)