無人兵器とAI兵器 宇宙・サイバー空間に拡大した戦場は、身近にも忍び寄る
2019年6月24日 18:38
無人兵器、AI兵器の開発、拡大が進んでいる。規制を訴える動きも拡大してきたが、この流れは止められまい。遠隔操縦で人間が搭乗せず、「無人で飛行したり、走る兵器」が使用され始めている。この無人とAI操縦との区別はあいまいにされているが、人間の判断なしで殺傷を目的とした攻撃をする兵器が実用化されつつある。
宇宙空間での戦闘を想定した兵器の開発や、サイバー空間での戦闘を想定した技術開発は、すでに進んでいる。そして現実に、占領を目的に進軍する兵士は遠くにいて、替わってAI兵器が独自に判断して殺傷する時代となってきている。ロシアの開発した「神風ドローン」と呼ばれるドローンは、2.7キロの爆弾を搭載できる「KUB-BLA(クブラ)」だ。これにはAIが搭載されている模様だ。敵を発見すると体当たりするため、「神風ドローン」と呼ばれる所以だそうだ。
AIが敵と判断し、攻撃すべきと判断するのは、どの様な「教師データ」を基にしているのかで全く違ってくる。「教師データ」はあくまでも過去の実績であり、その法則性が有効でなければ危険が生じる。また事態が特殊で、過去の法則性を脱却した判断が必要な時、AIに独自に判断が可能であるのだろうか?
2014年3月にロシアがウクライナ南部クリミアを侵攻した際には、まずサイバー攻撃が行われて防空システムを無力化し、通信網などを遮断、それから侵攻したと言われている。その侵攻に際し、まず無人機、ドローンなどである程度の攻撃を行ったとされている。戦争の形が変わってきているのだ。中国・アメリカ・ロシアがAI兵器の本格的導入に邁進しており、それに対して、弱小国はこれまで通りの人海戦術で対抗しなければならない。
イラク戦争においても、アメリカ陸軍は衛星からの情報と暗視装置でイラク軍の動向を把握しており、それに対して目が見えない状態に置かれたイラク機甲軍に対するアメリカ軍の攻撃は、「虐殺」に近いものだったと言われている。これからは、大国の軍は戦場におらず、弱小軍は「虐殺」される運命にあるようだ。さて日本は、どの様な方向で自衛隊の構成を変えていくのであろうか?現代若者たちの置かれた立場は、かなり「危うい」ものと感じられる。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)