「AI運行バス」の魅力 ライドシェア、乗り合いタクシーとどこが違うの?
2019年4月4日 16:41
■タクシーやバスとどこが違う?
NTTドコモらにより、「AI運行バス」の実証実験が横浜みなとみらいで行われた。この「AI運行バス」が通常のバスより便利なところは、予約制だということだ。ある範囲に決められた乗る場所と降りる場所を指定して、時間も予約する。すると乗り合いバスよろしく、AIが組み合わせをしてくれる。ある程度の制約はあるが、路線バスよりも自由度が高いこととなる。
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路線バス会社側にとっては、乗客がいる道のりを運行するためコスト削減できる。タクシーよりも安く、路線バスより高い料金となるのであろう。乗客側は、タクシーのように自由に場所や時間を決められないが、料金は安く済むのであろう。こうしたサービスは、高齢化が進む過疎地に適しているのは間違いない。しかしある程度の人口が必要でもあり、限界が見えている。
その一方で、「ライドシェア」は、誰でも自家用車の空いている時間を乗り合いタクシーのように利用できるので、さらに便利だ。自家用車を含めると、かなりの確率で交通機関として機能できるため、過疎地に対しても利用できるチャンスが多い。しかし日本では、「白タク」「乗り合いタクシー」は禁止されてきた。しかしアメリカのウーバーが日本にも進出し、旅行業者としてタクシー会社と連携した形で合法的に展開し始めている。
■「白タク禁止」の現実
一方、日本に訪れる中国人観光客に対して、在日中国人を中心とした「白タク」が非合法に運用されてもいる。既存のタクシー会社の猛反対とせめぎ合っている。「これほど便利であり、過疎地対策にもなるのにどうして?」と、許可されないライドシェアにやきもきする向きもある。日本で許可されないのは、確かにタクシー会社の存亡に拘わるのだが、同時に、2種免許などの制度で利用者の保護を図っていることも事実だ。
皆さんも「幼稚園のお迎え」などで、協力して他人の子供も一緒に送り迎えした経験があるだろう。しかし万が一事故が起きたなら、親切心で車を出し運転手をかって出た母親の全責任になってしまうのだ。下手をすると、同乗させた子供の賠償金で一生をダメにしてしまうこともあり得る。タクシードライバーに2種免許取得を義務付けているのは、やはり一定の「運転の腕前」の確保であり、事故を少なくしようとしているのだ。さらには営業許可を出すときに、保険など条件を整備しておくためでもあるのだ。
そう考えると、安易に「タクシー業界の利権だ」と決めつける訳にもいかない。中国のように、誰でもタクシー業を営めるような制度は、やはり「社会がまだ成熟していないから」とも言えるのだ。
しかしアメリカでは「ヒッチハイク文化」もあるし、ライドシェアを用いれば過疎地の人々の利便性が確保できる。一方、「ボランティア活動」などで事故などあったとき、責任は自分で取らねばならない。国家としては、条件を限ってAIを使ったシステムの整備を考えてはどうであろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)