ガソリンエンジンが良い! (6) エネルギー回生システムはガソリン車でも必須【1】
2019年4月1日 16:48
■回生ブレーキで無駄をなくす
最近では、純EV、PHEV、HV、マイルドHVなど、モーター駆動を用いている車で「回生ブレーキ」は常識となった。日産リーフなどでは回生効率を上げるため、アクセルを離すと自動的に0.2Gのブレーキをかける協調ブレーキ(回生ブレーキと油圧ブレーキの組み合わせ)もある。eペダル(1ペダル)だ。ブレーキは慣性で動くエネルギーを熱エネルギーとして捨て去るものだが、この慣性運動エネルギーで発電機を回し、バッテリーに充電して駆動力が必要な場面でモーターを駆動するシステムだ。
【前回は】ガソリンエンジンが良い!(5) 軽量化は燃費向上の基本 ハイテン、アルミ、カーボン
しかし、これはガソリン車でもエネルギー損失を少なくするために必要な技術だろう。つまりマイルドHVでは、ガソリン車と言えども必須とすべきで、100Vの高電圧だけでなく、24Vや48Vにおいてもコストを抑えて義務付ける必要も感じられる。日産リーフの、アクセルを離せば回生ブレーキで減速する装置は必須としてもよい内容だ。
運動エネルギーを回収するシステムとしては、駆動時にドラムを回しておいて、その慣性をブレーキ時にも減速することなく、駆動時に車軸にそのまま繋げる方式などもみられる。
■ターボチャージャーで無駄をなくす
ターボチャージャーは、間接的だが、排気損失を回生するシステムと見てよいのだろう。最近では「ダウンサイジングエンジン」で実用的な出力を得るため、多数のエンジンにおいてターボチャージャーは採用されている。歴史は古く、自動車に応用されるには「ターボラグ」が問題だった。
そこで工夫が始まった。チャージ(加給)が始まるには、排気が増えタービンが回り始め、続いて過給タービンが回り始めるので、過給タービンを軽く作って慣性を少なくする工夫もあった。それは、鋼鉄製の排気タービンをセラミックに変えて軽量にする工夫だ。またツインターボでは、大きなタービンと小さなタービンと並列にして、アクセルを踏むとすぐに動き出す小さなタービンの特性を生かして、タイムラグを少なくする仕掛けもある。
他にも、アクセルを踏んだ直後は排気タービンに排気がいかないようにしておき、初期はNAエンジンとして回転を早く上げ、ある程度回転が上がった段階で排気タービンに排気ガスを送るシステムもある。
現在のところでは、48V電動スーパーチャージャーと組み合わせる考え方も製品となってきた。スーパーチャージャーを電動モーターでアクセルを踏むと同時に回して、タイムラグを無くすのだ。これほど神経質になる必要があるのか?と感じるシステムだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)