マツダ3・24V、ベンツ・48V、スバル・e-BOXERマイルドハイブリッドさりげないフィーリング
2019年3月10日 20:15
自動車のマイルドハイブリッドは、かつては小型車の安価な簡易ハイブリッドとして使われていたが、最近では大型車や高級車にも登場してきている。その代表格がメルセデスの48Vシステムだ。直列6気筒ガソリンターボエンジンに、「ISG」(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)、48V電動スーパーチャージャーまで載せて、低回転域でのパワーユニットのタイムラグを無くす努力をしている。
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ターボチャージャーの弱点は、排気タービンで加給するため、エンジン回転が上がり、排気ガスがタービンを十分駆動できるまで、どうしてもある程度時間がかかる。いろいろな工夫でタイムラグは少なくなってきているが、なぜか素人では分からぬその感覚を、プロの指摘に合わせようとメーカーは努力している。CVTについても、シフトが動作するときタイムラグがあり、それを嫌うのはプロ級のドライバーだ。素人には問題ないと分かっていても、メーカーは解消しようと努力する。
メルセデスのマイルドハイブリッドは、スターター・駆動・回生と3役をこなすモーターで、加速段階のサポートをするだけではなく、電動スーパーチャージャーを備えて、アクセルに反応して排気ではなく電動で加給する。これならタイムラグを起こさなくて済む。これほどの必要性が、実用車においてあるのかは疑問だが、確かにEVに比べて、発進時・低速時のエンジン車の弱点を補うことが出来る。
問題は電源だが、スバルは100Vを使っているようだ。メルセデスは48V、マツダは24V電源としている。48Vぐらいまでなら安全性を確保することが容易であり、コストがかさまない。しかしスバルの高電圧では、配線や安全装置を確実にせねばならず厄介だ。一方で12V電源も用意しているとすると、いっそ本格的PHEVとしてしまうほうが良いのかもしれない。電池性能が現在のままだと、十分な性能を確保するのに重量、体積がかさむため、制限するしかないので致し方がないのだろう。
それでも間もなく電池に革新的進化がやってくる。そうした時、マイルドハイブリッドシステムの必要性があるのか疑問がわく。EV、HVなどの根本的狙いは「燃費向上」にあるのだから。
マツダに対しては、「SKYACTIV-X」に期待したい。これによって燃費がどれほど向上し、「Well to Wheel」(油田からタイヤまで)の観点から、EVよりもCO2排出量を減らせることになるのか興味がわく。現在の「商品力」として、マツダの24Vマイルドハイブリッドの出来には期待するが、もう一つ地味な努力で話題になりにくい。しかしもっと興味をそそるのは、「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー」の構造だ。この次世代車両構造技術は剛性をあげるだけでなく、「柔らかく受け止める」「歪を均等に受ける」などプラットフォームの構造そのもの概念を変える試みであり、注目してみたい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)