株価も味方する再生エネ発電事業、レノバの実態
2019年2月27日 11:49
東京電力HDも洋上風力発電事業の候補地として、銚子沖を決めたと伝えられた。日本郵船も検討していると報じられた。「自給再生エネルギーの拡充」は、国策である。
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その意味で全方位型の再生可能エネルギー発電事業を手掛けるレノバに注目したいし、株価も応援していると捉える。全方位型とは具体的に「太陽光発電」「風力発電」「バイオマス発電」「地熱発電」を指す。
レノバの前5月期は「42%の増収、31.7%の営業増益」。今期から3月期決算に移行、10カ月の変則決算。が、1月9日、前期末に発表した期初計画「売上高130億円、営業利益17億円」をそれぞれ「136億円、43億円」に上方修正した。要因は前期の買収で拡充した、バイオマス発電事業(農産物・食物廃棄物や木質廃材サトウキビ、家畜の糞尿など生物由来の資源を燃焼し発生する熱を電力に変える)効果。
ここにきて帝国データバンクが調査結果として「2018年の太陽光発電関連事業者の倒産は95件、5年連続増加」としている。固定の買い取り価格の低下がその背景にある。レノバとて例外ではないが「(売電先の)九州電力での影響は軽微」としている。アナリストは「太陽光分野は足踏みを強いられようが、他分野にはフォローの風が吹いている」とする。
具体的には例えば、(法案関連等の名称は何故もこんなに長いのか!)昨年閣議決定し上程されて衆議院を通過した「海洋再生エネルギー設備に係る海域の利用に促進に関する法律案」。洋上風力発電事業の実施に際し、これまでの規制が大幅に緩和される。文字通り同社にとっては「風向き良好」。
また注目に値する動きとして、地熱発電の展開がある。火山国・日本は世界第3位の地熱資源量を有している。だが活用されているのはわずか数%に過ぎない。レノバでは火山地域の地下にある熱エネルギーを発電する「フラッシュ」という手法を有している。本格的な展開はこれからだが、地熱発電注力の姿勢を同社では「風力や太陽光の場合は発電時間に限りがあるほか、天候等で発電量が左右される。対して地熱は、1年間一定量の発電が見込める」と積極的な構えをみせている。
「国策」の先陣を走っている同社には株価もエールを送っている。本校作成中の時価は1000円トビ台。過去1年間の値動きを追うと、昨年1月15日の286円(昨年来安値)から9月25日の1490円(同高値)までほぼ一本調子の上昇。利食い売りをこなす調整場面に12月25日の全体相場の下落が加わり754円まで反落も再度戻り基調。担当アナリスト達の予想株価の平均値を示すIFIS目標平均株価は1610円。上値余地十分を示唆し、レノバへの期待を示している。(記事:千葉明・記事一覧を見る)