京急電鉄傘下のRバンクは「変な銀行」ではない

2019年2月14日 17:33

 不動産再生事業を手掛ける業者は少なくない。ムゲンエステートなども代表的な1社。主たる事業として都内を中心に築古建屋をバリュウ―アップし、再生不動産として販売している。2017年12月期の「10.6%の増収、12.9%の営業増益」に続き18年12月期も「20%の増収、11.8%の営業増益」計画。バリューアップの施工は子会社が手掛ける。が、古い建屋をどんな類の物件に再生するかは、経営企画室・事業開発課のマター。

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 1月22日に再生物件が1棟生まれた。元々は1985年竣工の30年余の古い物件。事務所・倉庫・住居の複合ビルで、住居にはビルの保有者が暮らしていた。そんなビルをムゲンエステートが購入した。場所は西武池袋線・都営大江戸線の「練馬駅」から徒歩、約8分。

 ムゲンエステートはテナントが退去するまで、再生法を熟慮した。「オフィスビルとしてはエリア、かつ最寄り駅からの所要時間を勘案するとバリューアップには疑問がつく。住居棟だろう」までは思案が達したという。だが単なる住宅棟としては「ベッドタウン化」に伴い競争案件が多い。思案の中で「シェアハウス」に至った。そして件のRバンクの存在に辿り着いたのだった。

 Rバンクにはそれまで58棟の「女性専用シェアハウス」の立案・企画・提案の実績があった。Rバンクと組むのが最良の策と考えた。そして誕生したのが『練馬okeikoちゃん家』。住居16室。階数別に洗濯室・風呂場・キッチンスペースを分けることでゆったりしたスペースが確保された。

 そしてなんといっても「売り」は建屋の名称に沿って2階部分に設けられた「稽古スペース」。住居棟である以上「近隣住民とのコミュニティ」が不可欠とするRバンクの立案で誕生した。この稽古スペースは勉学・仕事(就労)を目的に来日した外国人も意識して造られた。リーシング(入居活動)の機会を広げる目的も含んだことだったという。

 Rバンクは「9年前から既存物件を住居と多用途の混合したコンバージョン(再生)を、主に提案している。付加価値に繋がる再生がコンセプト」の、いわば「不動産再生バンク」なのである。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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