【第四次産業革命に必要な技術(4)】広告技術と市場予測のコラボが命

2019年1月17日 17:38

■4.【広告技術】との結びつきに目覚めよ

 第四次産業革命に、【広告技術】が結び付くとは意外と感じるかもしれない。AIに市場予測させることを考えても、広告技術次第で大きく市場が変化してしまうことを知らなければならないのだ。AIはこれまでのデータ、つまり経験を膨大に積み上げる。その中で法則性を見つけ出す方式なので、意外な関係性も見つけることが出来るが、これまでの経験の範疇を出ることが出来ない可能性があるのだ。

【前回は】【第四次産業革命に必要な技術(3)】 生産技術の進歩は設計技術の進歩と一体

■市場予測は「顕在市場」と「潜在市場」に分けろ

 市場は、「顕在市場」と「潜在市場」に分けて認識しておくとよい。これまでの筆者の経験では、顕在化している市場は市場全体の2割程度と感じることが多かった。すると、ポスレジデータの分析で発見できるのは市場全体の2割程度であったことになる。「ヒット商品」と言われるものをヒットしてから調べると、そのほとんどは「潜在市場」を掘り起こしていることに気付く。

 そこで、マーケティングを行ってデータ分析するには、売れた理由を考え、分類整理をする必要がある。マトリックス図などでデータの分布を見ていくと、「法則性」を発見できることが多い。それは1D(次元)ではなく、2D、3Dとなっていることが多い。市場の「評価基準」がいくつも関連して、潜在市場が形成されていることがほとんどだ。この「評価基準」をいくつか発見できたなら、それを組み合わせてみると、膨大な「潜在市場」を発見できる。そうすれば、新商品開発に絶対の威力を見せることとなる。

 AIにポスレジのデータ(ビックデータなど)を学習させるとき、この法則性、つまり「市場の評価基準」を表示させるようにすることだ。すると、新商品開発をどのようにすればよいのかが明確となる。また、AIに「分類基準」を任せてみるのも必要だ。さらに、市場に関係のないと考えられるデータを同時に学習させると、意外な結論が導き出されることが予測できる。

■広告技術と市場予測のコラボ

 さて、ここからが広告技術の問題だ。これまでの広告技術を見ると、「有名人」とのコラボが有効のようだ。話題性の大きな人物とコラボすると、大きく関心を呼ぶ。確かに間違いではないが、いつもヒットしているとは限らない。過去の例では、野球の世界で「王・長嶋」のジャイアンツにからめると、観客動員数は上がっていた。しかし、野球人口の減少で、スターに頼った観客動員が頭打ちとなった。そこで地域密着の活動を行ってみると、少しずつ減少が止まってくる。

 もともと観客動員数のなかった「Jリーグ」は、初めから地域密着でスタートし、徐々に観客動員数を伸ばしてきた。「ランニング(マラソン)」のように、スターなどの話題性に頼らず、「健康志向」の浸透にあわせて「ライフスタイル」に働きかけていると、少しずつ広がりを見せる市場もある。これを基本としなければ、どの様な市場も衰退する。最も顕著なのが、ゴルフ業界だ。スターに頼りすぎて、現在でも「レジェンド」の認識で活動を続けているのが間違いだ。

 「商品」の持つ市場性を分析・認識して、その潜在市場に向けて「広告手段」を整備していなければ、縮小する市場になると回復が難しい。「商品力」を正確に捉え、潜在市場に働きかけるのが広告技術だ。市場は「消費者の心の中」にあると認識して、ライフスタイルに働きかけるのだ。現在のゴルフ市場においては、「レジェンド」ではキーワードになりえない。「広告技術」を勘違いしている「広告代理店」が大多数であり、効果のない広告がほとんどを占めている。

 これは、ネット技術をフルに使う「第4次産業革命」には、必須の技術だ。M&Aなど金融知識で利益を出すことは「面白い」かもしれないが、地道に市場を作り出すためのAI活用が望まれる。その時、必ず潜在市場を掘り起こす「広告技術」を組み合わせることだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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