【AIディープラーニングの基礎(2)】民主主義の危機を「AIディープラーニング」が救う
2018年11月26日 17:13
■判断基準がポイント
そこで、物事を判断する『基準』が問題となる。これを「議論」することが重要であり、「コミュニケーション」なのだ。しかし、現代は「好き・嫌い」や「自分の立場」で言動することを当然としており、「議論しない」あるいは「出来ない」人が増えている。つまり、コミュニケーションができない人物だ。
【前回は】【AIディープラーニングの基礎(1)】 100%予測、『ゴーン逮捕の理由に3つの可能性』の記事
昨今、「不良品」を生む企業が問題になっている。スバルは、「社員とのコミュニケーションが不足していた」としている。しかし、経営陣の姿勢から見えるのは、コミュニケーションを「指示あるいは命令」と勘違いしていることだ。「判断基準を探し、問題意識を持つ点を共有して議論できる」ことをコミュニケーションという。「指示」でもなければ「命令」でもない。経営側だけでなく、社員の側も「勉強」し、正しく問題点を認識する努力が必要だ。
しかし、人間の能力には偏りがある。そこで意思統一のためには、議論し統一見解を作る法則を、根本から理解する必要に迫られる。すると、「生活を共にする」共同体の意識が欠かせないことに気付く。これは「投資」の資金効率を求める現代の経営感覚とは、相反することとなる。それはすなわち、日本社会が持っていた高度な品質保証のレベルを下げることとなって行く。それが、現在日本社会に起こっている現象だ。
トランプ大統領の言動は、その特徴をよく表している。「客観性がない」と言える言動なのだ。これは社会のあらゆる面で危険なことで、「民主主義の根幹」を揺るがしてしまう言動なのだ。
国会の議論でも、この「基準」を求める議論が展開されなければならないのだが、実際には「スキャンダル暴露合戦」の様相を呈する場面が多い。国民の関心事が「好き嫌い」のレベルで、「議論」が国民から支持されないからだ。「AIディープラーニング」は、この点も正してくれるかもしれない。
■SNSでは議論が出来ない
現代は、SNSで「情報」があふれている。しかし、「コミュニケーション」が取れている訳ではなく「好き勝手を言っているだけ」、つまり、判断基準を求めているのではなく「好き嫌い」を言い合っているだけなのだ。個人情報まで持ち出して「炎上」となっているのが実態だ。「議論」が出来なければならないが、「炎上してしまう」のでコミュニケーションが取れない。これは、「自分の好き嫌い」を主張しているだけの人物が、国民の大多数を占めているということなのだろう。それどころか【基準を議論する】ことと、「好き嫌いの言い合い」とを区別できない人も増えた。そんなことでは「物事の関連性を理解できず」、きわめて「自己中」とでも言うべき主張を繰り返してしまうことになる。
■民主主義の危機を「AIディープラーニング」が救う
危険なことは、「議論が出来ない」ことだ。多数の人々で作る社会では意思決定ができないので、それぞれの主張が続き、最後は「武力」でしか決着できない状態となるのだ。それは戦前の日本であり、現在も多くの世界の独裁者の台頭が懸念される情勢を生んでいる。「民主主義の危機」と言えるのだ。現在は、誰もがSNSで発信できる時代だが、それが仇となって「言論に自由が確保できない」情勢であると見える。
そこで注目すべきは、ジャーナリズムの基本である「言論の自由」が確保でき、「民主主義」が発展維持できる「思考過程」である。それは「分類整理」であり、「AIディープラーニング」であるのだ。人間が間違えばAIも暴走する。「思考過程」と「民主主義」の関連性をよく理解するべきなのだ。「機械学習」「ディープラーニング」と進んでいく中で、人間の大多数が出来ないでいる「分類整理」をAIがこなして、適切な答えを出してくれる情勢となると、政治も変化していくのだろう。
「AIディープラーニング」が、民主主義の危機を救ってくれることを期待している。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)