3Dプリンターが熱い!自動車用部品への使用広がる 少量生産品の可能性も拡大

2018年11月9日 14:48

 ABS樹脂、金属粉末などをレーザー光線で積層させて、設計図通りに製造できる3Dプリンターは、特注品などの製造には使える可能性があった。設計したパイロット生産では変更が多く、金型などを必要とせずに部品を作製出来ることから可能性が広がっていた。その精度が上がる一方、強度も確保できるようになったことから、クラッシックカーの部品製造などにも使われ始めている。これは、現有のクルマの整備部品などにも応用が利くものだ。

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 自動車部品の製造には多くの金型が必要で、その償却がモデルチェンジの足を引っ張っていた。コストも膨らみ造形の限界もできていた。それが3Dプリンターにより、切削加工を必要とせず図面通りに製造できることから、応用範囲は広がっていくだろう。現在までのところは、単品生産に近い航空機部品やロケット部品などに向いていると思われる。金型が必要ない試作品では大いに役立つ。

 しかし3Dプリンターは、まだ加工時間がかかることや、強度の点で造れないものもあるため、量産工程には組み込める状態ではない。将来的には、自動車部品の内装材など、ユーザーのリクエストを形にしていけることなどから、これから使われる可能性が高いと言えよう。

■3Dプリンターの持つ製造のメリット

 3Dプリンターで造形すると、これまで加工できなかった形状が実現することがある。すると、製造においては部品点数が減るなどのメリットが出来るので、量産品に適応することも急がれている。精密鋳造、絞りなどで製造できない形状が実現できると、量産品製造現場に入ってくる可能性が出てくるだろう。

 すくなくとも、強度・耐熱性など満足できる部品から導入の可能性が出る。加工時間が大幅にかかるのが現状だが、他の工程と合わせて考えるとメリットが出てくる部品もあるだろう。これから第4次産業革命が進み、自動車の注文も整備もネットで行われる可能性が高まってくる。そのとき部品を在庫していなくても、3Dプリンターを使ってその場で造れると、整備の現場ではかなりのメリットが生まれる。図面をメーカーからネットで送信してもらい、3Dプリンターを使用して整備現場で造形するのだ。

 現在、クラッシックカーの整備部品を造るなどが試みられているので、整備の現場で実用化は近いのかもしれない。これは、ネットにつながった整備体制と共に、近い将来の可能性として有望なのだろう。すると、いよいよディーラーは変わらなければならないだろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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