孤独死と「無縁社会のお守り」

2018年10月8日 17:44

 先に少額短期保険について「弁護士保険」など具体例をあげ、「あったら便利」と記した。取り扱う少額短期保険会社はいまも増え続けている。年内には100社に達するとされている。

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最近も友人から「旅行代理店に勧められて入っていて良かったよ。また旅をするときはあの代理店を使うよ」と、「お天気保険」なるものの存在を知らされた。旅行先で雨に所定の時間見舞われた時、旅行代金を還元してくれる保険。しかも保険料は旅行代理店が支払い、一定率割り引いた旅行代金を担保してくれるという。だが「なるほど、よく考えるな」と思うのと同時に、代理店側も「リピーター獲得策なのだろうな」で、思考は止まった。

 が、「無縁社会のお守り」という商品を知った時は、時代を考えると通常の生保・損保にも是非とも新商品予備軍のヒントにしてほしいと痛感した。

 周知のとおり、高齢化社会が進んでいる。昨年末時点で65歳を超える老齢層は、日本人全人口の27.3%に及んでいる。2015年の国勢調査では、一般世帯の34.6%に当たる1,841万7,923世帯が単身世帯であることが明らかになっている。

 老齢層が全てアクティブシニアなどではありえない。ましてや65歳を過ぎて単身生活という背景には、諸々の理由がある。「ともすれば孤独死などという事態も考えられる。部屋を探すのも一苦労だろうな」と思った。だが賃貸住宅の事情に明るい筋は「築古のアパートやマンションのオーナーには年金所得ありを前提に、単身高齢層を入居させるケースが少なくない」という。「慎ましやかで穏やかな人が多い」「入居者間のトラブルが少ない」「入居時には家族なり縁者を保証人にたてる」などがその理由として語られるが、本音は違うところにあるらしい。先の筋は「例えば実際に孤独死などが起こり、保証人になにがしかの支払が生じた時そうそう容易にことは進まないのが現実。オーナーはそうした事態に備え、大方が短期少額保険(無縁社会の守り)に加入している」とする。「最長120日間の家賃保証」「加齢ゆえに間違って起こってしまった高額原状回復費用補償」、そして「原状回復費用」が必要ないときは「見舞金」が支払われオーナーの「孤独死」リスクを最低補償する商品。

 11年8月に発売された。そして今年3月末の申し込み個室数は2万3000戸を超えている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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