ゴルフダイジェスト・オンラインのいまと今後

2018年10月2日 20:35

 日本生産性本部の「レジャー白書2017」によると、2016年度に1回でもゴルフをした人は前年度に比べ210万人減と、27.6%減少したという。日本のゴルファー人口はピーク時に比べると約3分の1になった。が、白書は興味深い実態も伝えている。16年のゴルファーの52.8%が「60代、70年代」の高齢層だという点。また10代が0%から3%に、20代が0・9%から1・5%に僅かながら構成比を上昇している点だ。

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 私は今回俎上に乗せるゴルフダイジェスト・オンライン(以下、GDO)と同名のゴルフダイジェスト社の刊行物でかつて、「〇〇企業のゴルフ番付」なる連載物を担当していたことがある。その時に耳にしいまもって忘れられない中年サラリーマンゴルファーの言葉がある。「定年退職後に月に1回でもゴルフが楽しめたら、自分の人生は幸せだったと総括していいだろうな。健康でなくてはできない。適当な小遣いがなくてはできない。それになんといっても同じ年代の友人がいなくては楽しめないからな」。

GDOは現社長の石坂信也氏により、2000年5月に起業されている。ゴルフダイジェスト社の木村一族とは縁続きの御仁だ(GDPの大株主には木村一族が大株主として名を連ねている)。某大手商社時代に米国に社費留した石坂氏の米国での研究テーマは、新たなビジネスモデルの模索。大好きだったゴルフと、当時その存在感が高まり始めていたインターネットの組み合わせが至った答えだった。石坂氏は留学を終え帰国後脱サラし自らGDOとして興したのである。

「ゴルフ場予約サイト」の立ち上げと並行し、広告・マーケティングサービスから事業は始まった。そして翌年には用品を扱う「GDOゴルフショップ」サイトが開設。振り返ると事業展開は順調。起業時点から株式公開が念頭に置かれていた。2000年11月にはVCに対し第三者割当増資が行われている(04年上場)。

 2000年当時のゴルフ関連業界は、会員権事業の行き詰まり/不良債権化に象徴的される通り転機を迎えていた。転換期はビジネスチャンスともされる。が、言うは易く行うは難い。しかし石坂氏は「会員権というストックでゴルフ場が運営される時代は終わった。1人でも多くのゴルファーを集めることが今後のゴルフ場運営のキーワードとなる」とし、ゴルフ場予約サイト開設に足を踏み込んだのである。

 収入体系は、ゴルファー1人を送り込む毎にゴルフ場から手数料を徴収。またゴルフ用品の売買(Webサイトと実店舗の両輪)収益。会員の登録料は無料。Webサイトへの来訪者数(会員数)は前12月期で300万人を突破した。

 そしてタイ・台湾のゴルフ場用に多言語サイトを展開している。米国のゴルフレッスン会社:GOLFTECを子会社化、海外で展開に注力している。前記の「レジャー白書」は10代・20代のゴルファー層の増加傾向を示しているが、若者層の絶対人数は不可避。それに対応するための海外展開といえよう。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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