小惑星「フナバシ」誕生 船橋市で命名伝達式 宇宙に輝く都市へ
2018年9月3日 11:44
8月30日に船橋市役所にて、小惑星の命名伝達式が行われた。その名も「フナバシ(Funabashi)」。宇宙に燦然と輝く小惑星にまた一つ、日本の地名が加わった。
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今回命名されたのは小惑星25892番。2000年11月22日に岡山県の美星スペースガードセンターで発見された小惑星だ。発見したのはNPO法人日本スペースガード協会で、命名の申請も同協会が行った。命名のきっかけは同協会が2015年に主催した小惑星探査体験活動「スペースガード探偵団」の開催地が船橋市だったことによる。プラネタリウム館の活用など、もともと天文教育に積極的に取り組んでいたことも評価され、今回の申請に至った。7月11日付で国際天文学連合(IAU)に認定された。
小惑星とは太陽系内の惑星より小さな天体で、多くは火星と木星の間の軌道を公転している。ここ数年話題に挙がる「イトカワ」や「リュウグウ」「ベンヌ」などもこれにあたる。日本スペースガード協会は、これら小惑星を含む地球に衝突する可能性のある地球近傍小天体の発見と監視を行い、その衝突から地球を守ることを目的とするNPO法人である。1996年に設立され、以来小惑星探査を行う「スペースガード探偵団」プロジェクトや機関誌の発行など、観測や研究活動を続けている。
今回の認定を受けて、同市では9月29日に命名記念イベントを開催。認定書の贈呈式や日本スペースガード協会の専門家による講演会などが予定されている。定員は200名で、プラネタリウム館への事前申し込みが必要となる。
日本の地名が冠された小惑星は現在100を超える。発見されているものの、まだ命名されていない小惑星も多く、命名のチャンスは意外にも手の届く場所にあるようだ。これから朝晩の気温も下がり、天体観測にはうってつけの季節となる。星座盤と少しの期待を胸に望遠鏡を覗いてみてはいかがだろうか。(記事:秦・記事一覧を見る)