お茶のECに先鞭をつけたティーライフ

2018年8月28日 08:14

 ティーライフの祖業はティーバッグ加工と通信販売。ティーパック加工で蓄えた資金で通販営業を展開。緑茶を中心としたカタログ通販の開始は創業約12年、1995年のこと。広報担当者によると「当時お茶の販売というと、問屋さん経由が当たり前でした。創業者(現社長:植田伸司氏)はパソコンの草創期という背景もあり、顧客管理を自社で行うことで直接お客様に商品を届けることが可能になる。販売自体が営業マンの力量に左右されることもなくなると通販に着目しました」と振り返る。

【こちらも】MonotaRO急成長の原点は着想力と商圏拡大

 2002年には通販専業に移行し、03年にはネット通販にも進出している。

 爾来10余年、取扱商品はPB健康茶・化粧品を二本柱に200品目以上に上っている。ビジネスの枠組みは次の様な具合。

●商品生産は、いわゆるファブレス体制。健康茶は社内企画のうえ主に地元(静岡)の製茶業者に委託。化粧品は研究開発型企業として実績が高い化粧品メーカーとの間で共同開発(生産)方式を執っている。

●会員制。お茶・化粧品双方を購入できる。現在アクティブ口座数は全国約35万件。定期購入を利用している定期会員が10万人超。

 目下の売れ筋商品は、「ダイエットプーアール茶」「メタボメ茶」「ルイボスティ」「炭の露」。「広告は基本的にレスポンス広告のみです。会社及び商品の認知度の向上はプーアール茶の人気化(07年)や、上場(12年3月)が大きな契機になったと認識しています」(広報担当者)

 総売上高に占めるネット通販比率は、定期会員を除き約50%。

 今後の展開については15年8月に静岡県袋井市に「物流センター」が稼働を開始するなど、広告宣伝費と闘いながらも攻めの姿勢を示している。と同時に「現在の購入層は30歳代から40歳代が主力」としながらも「長く愛用していただいている方々の年齢が上がっている現状に対し、シニア向け商品の品揃えを増やす」としている。

 12年7月期以降、前期まで7期連続の増配を続けている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連記事

最新記事