スズキ、マツダ、ヤマハ 排ガス・燃費検査で運転ミスのデータを採用
2018年8月9日 19:14
スズキ、マツダ、ヤマハ発動機の3社が、排ガス・燃費検査で、運転パターンを外れた計測データを正常なものとして扱っていたことを、国土交通省は8月9日発表した。この報告は、7月に日産自動車のデータ改ざんを受け、国交省が調査を指示していたものだ。
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この検査では、JC08モードなど指定されたモードに従って車を計測器に乗せた状態で運転し、排気ガスの状態と燃費を同時に計測するものだ。その時、指示されたアクセルワークなどに沿うことに失敗すると、大変厄介な計測をやり直すこととなるため、それを正常に運転できたとして、3社は誤ったデータを採用していた。
100台に1台程度抜き取り検査をして、新車として規格に合格したとすることになる。つまり、1台測定に失敗すると、その同一ロット100台を不良品扱いとすることが正しい判断となる。だから、既にユーザーに渡ってしまっているはずだ。今回の件で、スズキにおいては6,401(スズキが不適切な処理があったと発表た台数)×100=64万100台が測定無効で、規格に適合しているか確認できていない車両であり、そのまま街中を走っていることになる。国土交通省の対応は、この車両すべてをリコール対象とはしていない。これまでの国土交通省の監督責任を問うべきではないのか。
各社別に内容を見ると、スズキは、2012年6月~2018年7月の間に1万2,819台検査した中で、約半数に当たる6、401台が検査に失敗していた。マツダは、14年11月~18年7月の間で72台、ヤマハ発動機は、16年1月~18年7月の間で7台、検査に失敗したデータを採用していたことになる。
一連のメーカーの計測データ取り扱いの不正について、大きく2つのグループに分ける必要があろう。「日産・スバル・スズキ」については台数が多く、不良の比率も高い。これは、管理体制に不備が存在し、組織的不正と認識されても仕方がない。一方、マツダの72台、ヤマハ発動機の7台については、「組織のゆるみ」と捉えることが出来るが、管理ミスの「ばらつきの範囲」と見ることが出来る。しかし、どちらにしても組織的に測定をやり直さなかったことに変わりはない。
排気ガス検査については、VWはじめとして世界のメーカーが不正を働いていることになり、まじめに取り組んでいるメーカーがコスト負担などで不利益を被らないようにすべきであろう。
地球規模でのCo2削減の実質的なストーリーとはかけ離れた、「EVかぶれ」ともとれる、現在の世界EVシフトへの掛け声について、ここで一度立ち止まって、本当に「地球温暖化」に寄与できる方法論を定めなければならない。これで地球が、異常気象・食料危機などを迎えないよう対策が間に合うのか?大いに疑問だ。中国・欧州・北米・日本の自動車産業に関わる思惑はいったん置いて、真に温暖化防止に動くべきところだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)