Hamee成長の背景は時代への敏感な反応
2018年8月7日 12:02
Hameeの創業は、インターネット勃興期の1997年。創業者社長の樋口敦士氏の慧眼に起因する。事業を営む家系で育ったことが樋口氏の「起業」意識を培った。大学3年生で起業を決意。ネットによる流通事業に可能性を覚え、オーダーメイドによる天然石アクセサリーの通販を開始した。
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直後に流行し始めた携帯電話に着目。天然石による携帯用ストラップを企画・製販。ヒット。1998年5月同社設立。が、天然石ストラップの好調に甘んじ胡坐をかいたままでは、今日のHameeはない。法人化早々に街頭でのアンケート調査を実施。IR室の言葉を借りれば、「ユニークなストラップに対する高いニーズを掴んだ」。調査結果を基に投入したのが、ハイビスカスの造花付きストラップ。女子高生や雑誌社への配布といったプロモーション活動も奏功し、販売開始から3カ月とたたず5万個を超える販売実績に至った。
サイト名は「携帯アクセス市場」「ストラップ.com」「Hameeストラップヤ」と遷移したが、モバイル機器の進化をフォローに商品開発/ヒットが続いた。自社企画商品にディズニーやムーミン、スター・ウォーズなど人気作品のライセンスを活用したことも成長加速の一因となった。
ストラップから始まった取扱商品は、いまモバイル機器周辺アクセサリー全体に広がっている。「スマホケース」「モバイルバッテリー」「充電器、ケーブル」「イヤフォン」などサウンドアクセサリー等々である。
同社のもう一方の収益柱は、プラットフォーム事業。クラウド型EC事業支援システムの展開。そもそもシステム会社でなく、EC事業者が開発したシステムという点で使い勝手に優れているなど差別化要因が多い。ユーザー数2,000社超。静岡銀行と提携し金融サービスなども開始。国内最大のシェアを有し、数千億円規模の取引実績を誇っている。楽天やYahoo等から「ECシステムパートナー」に認定されている点などもその存在感の証左。
課題の海外は韓国・米国・中国・インドに現法を展開しているが、狙いである「現地版ネクストエンジン」を昨年12月に韓国でリリースするに至った。
2015年4月上場。収益成長力を背景に、市場を我が物顔で走りまわっている。(記事:千葉明・記事一覧を見る)