大塚ホールディングスはビッグベンチャーカンパニー

2018年7月25日 15:58

 大塚ホールディングス(以下、大塚HD)の傘下企業には、「大塚製薬」「大鵬薬品」「大塚メディカルデバイス」「大塚食品」がある。日頃、馴染みの深い商品も多い。前に「本場インドへの殴り込み」と記したボンカレーをはじめ、チオビタ・ソルマック・ポカリスエット・オロナミンC・カロリーメイトなどなど。

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 だが収益の主力は医療用医薬品。領域は「中枢神経」「がん」「循環器・腎」「消化器」「眼科」「診断薬」と幅広い。中でも現状の中軸・稼ぎ頭は、中枢神経系治療薬。今年に入ってからも『ブレイプスピプラゾール(統合失調症薬)』が、欧州医薬品委員会から承認勧告を受けている。医療用医薬品の世界に詳しいアナリストに代表薬を指折り数えてもらった。『エビリファイ(同):2013年の米国販売にはじまり現在350カ国以上で使用されている』『レキサルティ(大うつ病・統合失調症薬):15年から米国で販売開始』『オンゼトラ・エクセル:急性片頭痛治療薬』『イーケプラ:抗てんかん剤』『ニュープロパッチ:パーキンソン病治療薬』『アイクルシング:白血病対応薬』等々を指折り数えた上で件のアナリストは、「感染症領域では肺結核治療薬、眼科領域では緑内障・高眼圧治療薬、循環器系や消化器系治療薬でも存在感を高めてきている」とした。

 樋口達夫CEOはいまなお「大塚らしい、大塚だからできる、大塚にしかできないことを追求し、ビッグベンチャーカンパニーを目指す」としている。それを証明するように「第2相以上」の10余の神経中枢領域/25のがん領域/10近い循環器領域/3つの試験薬領域が公にされている。

 が私はそうした医療用医薬品領域以上に、12日に発表された「ポカリスエット アイススラリー発売」に「ビッグベンチャーカンパニー」を体感した。水分補給に加え体内から冷やすことで、熱中症対策に役立つという。アイススラリーとは、液体に細かい氷の粒子が混ざった氷飲料。成分を独自に組成し製品化したというこの代物「冷凍庫で4時間以上凍らせ、包装を揉み柔らかくして飲む。常温で9カ月保存が可能。氷が解けたあとも再冷凍し元の状態に戻せる」という。売れ筋商品「ポカリスエット」に満足しないベンチャー魂がそこには認められる。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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