旅行予約一括サイトのオープンドアが成長し続ける背景

2018年7月3日 11:43

 オープンドアは、創業者社長の関根大介氏の起業家スピリットが産み出した。「いずれ起業を」という思いを抱いていた同氏は、元家電メーカーマン。北米向けビデオの製作に携わっていた。「世界各国のメーカーの部品を導入していた。が情報を取るのは分厚いカタログ。簡易なデータベースで調べられないか、という思いが日増しに強くなっていった。情報というのはユーザーが容易に掴めるものでなくてはダメ。これがいまの事業を興す引き金になった」と起業当時を振り返えっている。

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 同社のビジネスは一口で言うと複数の旅行予約サイトが競い合っている内外の旅行プランを一括して検索できるネットサイト(『トラベルコ』)や外国人向け旅行比較サイト(『TravelKo』)の運営。1997年4月の立ち上げから僅か1年半余で月次ベースながら黒字化に至っているが、関根氏の用意周到ぶりが背景としてある。「果たして旅行代理店側に自分が考えるようなサイトへの需要があるかどうかを把握しようと、わけを話してアイ・エー・エス・エスに1年間籍を置いた。ニーズありと判断し会社を立ち上げた」いう。

 トラベルコサイトの利用者は、20代から30代の女性を中心に2017年3月期末で400万人近い。内外約500社の旅行会社が登録している旅行プランを比較し、「これは」と実感した予約サイトに飛び詳細な情報のキャッチ・予約ができる枠組み。オープンドアの収入は旅行予約サイトの成約時課金+月額固定型掲載料+サイト上の広告料。魅力的なサイト作成には当然、全社一丸態勢で日々工夫が積み重ねられている。

 ちなみに「法令順守が大前提」を謳った「STAY JAPAN」サイトとの提携(16年7月)は「民泊」対応への備え。こと旅行絡みのビジネスには貪欲。関根氏はオープンドアの社名の由来を引き合いに「常に新しい分野の可能性を求めて門戸を開き、挑戦し続けたいという姿勢を大事にしいる」とし、当面の経営課題をこう語った。

「成長階段をひたすら駆け上がる。収益上昇に伴う株価上昇による時価総額の増幅を基軸に経営に臨んでいく」

 直近の会社四季報の業駅欄は見出しで「最高益」と記している。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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