【ディーラーの整備は機能しているのか?(2)】ユーザーの無知・無関心が背景
2018年6月18日 17:31
■ユーザー(ドライバー)の無知・無関心が背景
要するに、今回のホンダ・リコールの内容は、製造からしばらくするとパッキンの劣化が進んで、ブレーキオイルが漏れだしてしまうのだ。その原因がホース製造時の補助剤なので、ブレーキオイルに染み出すまで時間がかかり、不良品と気が付くのが遅れたのだ。定期整備では必ずブレーキオイルは点検するが、本当はドライバーが日常点検すべきところだ。しかし、日ごろからボンネットを開け、エンジンオイル、ラジエター冷却水、ブレーキオイル量や劣化の程度などを点検しているマイカードライバーが多いとは、とても思えない。整備は、ほとんどディーラーの定期整備に任せっきりになっているのだろう。
【前回は】【ディーラーの整備は機能しているのか?(1)】 ホンダ・リコールの裏にある危険な問題点
そういう私も、数年間ボンネットを開けなかったことがある。エンジンオイルゲージを抜いたのは、何年前であったかと考えてしまう。そういえば、半世紀前は、運転開始するときには必ずと言ってよいほど点検をしていた。また駐車場の床には、漏れたオイルがシミとなっていることが多かったが、現在ではオイル漏れの車に出会わない。ラジエターも密封型であり、冷却水もオールシーズン型、もちろんポイント、ディストリビューターなどもIC化しており、日常メンテナンスは不要だ。点火プラグは数十年間抜いたことがない。燃料噴射量・タイミングの調整についても同様だ。
第一、オイルゲージを抜いて、エンジンオイルの量と焼け具合、粘性などから、メンテナンスの必要性を判断できるドライバーが、どれほどいるのであろうか?少しオイルが焼けて茶色くなっていると、粘性は十分でも「オイル交換」を勧められるのが現状だ。それも不要な添加剤付きで。ワイパーウォッシャー液の補充までディーラー任せの人もいる。これで、ブレーキ系統に「エアー」が入ったことを認識できるのか不安になる。ブレーキ倍力装置が付いていることも知らない人が、ほとんどとなっているのだろう。
エアーの入ってしまったブレーキを踏んだことなど私もないので、軽いブレーキで制動距離が伸びていることに運転していて気付くのは、いつになるのか自信がない。もちろん始業前点検で気付ける範囲なので、事故になれば運転者の責任だ。
次は、「不良で事故になっても気づかないでドライバーの責任となっている」可能性について考えてみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)