ホンダ・クラリティPHEV世界最高性能 EV速度範囲が上がりトヨタHVの優位性は崩れた
2018年6月13日 21:32
ホンダはFCV(燃料電池車)でスタートしたクラリティから、最新のPHEV仕様を発売した。「クラリティPHEV(クラリティ プラグイン ハイブリッド)」をホンダは先行して北米で発売していたが、日本でも2018年発売となるようだ。悲しいかな、日本市場が最優先されないのは、市場が縮小し続けているためであろう。
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クラリティPHEVは、2モーター式ハイブリッド車(HEV「HVとトヨタは呼ぶ」)の機構、「i-MMD」とホンダが呼んでいるシステムで、ハイブリッド・ガソリンエンジンを2.0Lから1.5Lにダウンサイジングして載せてきたが、その熱効率はトヨタ、マツダと並ぶ40%と世界最高水準としている。
「世界一の燃費性能」と言えそうだが、つまり、トヨタのプリウスHVを凌ぐ燃費性能を実現したとした。ホンダは以前よりトヨタHVを追いかけてきたが、どうしても燃費性能を抜くことが出来なかった。トヨタ方式に対してホンダ方式では効率が劣っていたのだ。しかし、「EV走行範囲が広がれば」トヨタ方式を抜くことが出来るとホンダは考えてきた。そして今回は、コンバーターとリチウムイオン電池の出力を高め、モーター走行速度範囲を広げ、エンジン直結の速度範囲を狭めたため、燃費性能でトヨタ方式を抜くことが出来たようだ。これでEVモードでの最高速度100マイル(約160km/h)として、従来の「電動の速度域」を広げることに成功している。
また、クラリティPHEVは、バッテリーを満充電したときEVモードの走行可能距離は47マイル(約75.6km)とされており、ヨーロッパの規制値を意識していることが分かる。高速走行ではエンジン直結モードもあるが、EVモードでの走行可能距離は、モーターの走行速度域で従来を超えてはいるが、おそらくは80km/h程度の最高効率速度でのことであろう。
モーターだけでの走行スピード範囲が広がったということは、リダクションギアだけでなくモーター走行でもミッションを使用しているのか否かは不明だ。「電力昇圧器の体積出力密度」を上げて実現できているとしか言われていない。モーターのトルクは高回転域では急速に落ちてくるもので、今後「モーターにもミッションが必要ではないか」との議論もあり、仕組みを公開してほしいものだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)