オンワードホールディングス再建の原動力はEC
2018年6月7日 11:59
オンワードホールディングス(以下オンワードHD)の前2月期は、営業利益は期初計画比9.4%減だったが「前期比では23%増、純益も13.1%増」と「着実に回復続く」の感を抱かせた。
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と同時に前期決算で目を引いたのはECによる売上増だった。前期比36.8%増の202億6900万円。総売上高に占める割合で8.3%強。決算発表の席上で保元道宜社長は「今2月期のEC売上高300億円突破」の意向を示した。今期の総売上高計画が前期比2.2%増の2,485億円。300億円実現は総売上高比率12%を意味する。
オンワードHDは回復過程の軸として「EC拡充」を宣言したと捉えることができる。EC事業拡大のため「在庫一元化(11拠点の物流センターを4拠点に集約)による効率化」「予約商品やオンライン(自社ECサイト:オンワード・クローゼット)限定商品の拡充」「(プレミアムフライデーなどの)イベントと連動したキャンペーンの推進」「webセールの強化」等の策を展開した結果が、202億6,900万円だった。
また保元氏は今後のオンワードHDの展開とECについて、「収益性の高い自社のECサイトに注力しているが、赤字になっているモールがあるわけではない。web会員にはマイショップ制度を設けており、リアル店舗の登録を促している。ネットとリアルの連携がカギになる」としている。
同社のブランドは「23区」「組曲」など17。回復基調は「専門ブランド(オーダースーツ)」の拡充策にも繋がっている。件のスーツは、最短1週間で納品という代物で19年初めの竣工を目指し、中国・大連で専用生産工場の建設が進められている。またEC対応も然り。17ブランドの一つ(買収した)ティアクラッセを介してEC限定のワンピース販売を行う。動画メディア「C Channel」とコラボした限定ブランドの開発なども進めている。
オンワードHDは今期を初年度とする至21年2月期への中計を進める。掲げた計画は「売上高3,000億円、営業利益150億円」。それを実現するための事業機会として「グローバル化の拡大」、そして「オムニチャネル化の加速」を謳っている。(記事:千葉明・記事一覧を見る)