テスラ、自動操縦モードでまた事故 安全性検証に問題 人間は余裕を使い果たすもの
2018年6月4日 21:33
先日、またテスラのセダン(モデルS)が自動操縦モードで走行していて、駐車中の警察車両に衝突した。運転手は軽い怪我だった。一般道路のようだが、特に複雑な様子はない。
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これに対してテスラは、“自動操縦は中央分離帯と明確な車線区分線のある幹線道路上で用いるよう設計されている”、を受諾しなければならないと述べている。また、前回の死亡事故を受けて「テスラは3.7倍安全だ」と声明を発表しているが、この統計処理に専門家が異論をはさんでいる。
すなわち、テスラが「自動運転中」としている走行距離は、単に「自動運転装置を装備している車両」の走行距離で、必ずしも自動運転のみの走行距離ではない。したがって、無事故運転中の走行距離に、手動運転走行距離が含まれているとのこと。さらに自動運転で走行中、車線が判別できないなどで自動運転が切られた直後の事故をテスラはカウントしていないとのことだ。
■自動運転が切られた直後の事故
ほかのメーカーの車両においても、クルーズコントロールで車線中央を走っている時(高速道路でも)、車線が追えなくなって装置が切れてしまうことがある。その時、運転者には警告があるのだが、簡単な警告音だけだった場合、見逃す危険があると感じた。これでは、事故が起きる危険性がある。
追従機能が働いてハンドルに手を添えているだけの状態が長いこと続くと、どうしても注意が散漫となることが起きる。クルーズコントロールを使わず自分で運転している状態と比較すると、慣れてきた場合よけいに差が出てくるようだ。それは当然で、クルーズコントロールで楽が出来なければ利用価値はないので、信頼すればするほど運転に手抜きが出来ることになる。また、それが狙いの装置だ。人間には「余裕」を使い果たすクセがあることは知られたことで、運転支援装置があてになれば、その分を手抜きしてしまうのだ。
それが未完成で危険が増えるのであれば、本末転倒の装置となってしまう。クルーズコントロールが外れるとき、もっと確実に運転手に警告する必要を感じている。もっと言えば、人間が運転している場合でも、緊急ブレーキなど常時起動していてスタンバイ状態の装置以外は、完全自動運転装置と言えるほどの安全性が認められるまで、装備禁止とすべきなのかもしれない。車線変更の補助装置も、斜め後ろの警戒が甘いことが起きるようだ。頼りきるのは危険であり、全く装置がないのと同様と思って、なにがしか人間の油断をサポートしてくれるような使い方が正解であろう。
現状では、安全を考えるのなら「自動運転装置」と呼ばずに「運転“支援”装置」と呼ぶことは正解のようだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)