JPホールディングスを憂う
2018年5月30日 11:48
JPホールディングス(以下、JPHD)はいつまで「お家騒動」の原因に蓋をし、世間に公にしないのか。展開する保育園や学童クラブに通う幼児・子供たちに恥ずかしくはないのか。
JPHDは大和証券出身の山口洋氏によって起業された、保育園業界のトップ企業。そんな山口氏が「体調不良による入院のため」という理由で社長職を辞したのは、2012年2月。だが直近まで24%近い株を保有し続ける、筆頭株主だった。山口氏が現体制(荻田和宏社長)に対し臨時株主総会を要求し、「全取締役の解任」動議をぶつけたのは17年9月。この頃から「お家騒動」論が囁かれ、山口氏退任の真の理由が問沙汰された。会社側は「第三者委員会」を設け「セクハラ、パワハラが要因」とした。しかし昨年6月29日の株主総会でも山口氏は「取締役の任期を2年から1年に」「(山口氏側の)顧問弁護士を監査役に」と提議したが、否定された。
私はこの間、半期・通期の決算説明会の通知を受けていた。が「山口氏退任の理由を席上でお話しいただけるのなら参加させて頂く」とし続けた。上場企業である以上、その後の動向も勘案すれば当然のことと考えたからだ。答えはいつも「なしのつぶて」だった。
どこまでも山口氏は争うつもりらしい。保有するJPHD株を投資ファンドに売却した。そして萩田氏の解任決議を提案させた。今後もこの泥仕合は続く様相だという。萩田氏は「少子化の進捗で都市部の、待機児童問題は解決していく」と主張し、「今後は保育園等の運営コンサルティング事業と海外展開に注力していく」としているという。対して山口氏は「保育園運営が本業。本業の追求なくしてJPHDは成り立たない」としているとされる。真っ向、経営議論でぶつかり合うべきだ。
かつて私は山口氏から「当社の保育園に子供さんを預けられる親御さんに、是非当社の株主になって欲しい」と聞かされた。単に、取材者に対する「ええかっこしい」だったのか。山口さんに聞きたい。どこかの国の副総理が「セクハラっていう罪はあるの」と口走ったが、「まさか貴方も同じことを言うつもりじゃないでしょうね」と。(記事:千葉明・記事一覧を見る)