アクセル操作タイムラグ?歩行者の安全確保?マツダ・CX-3ビックマイナーチェンジ(2)

2018年5月18日 20:18

■改良点その2: アクセル操作タイムラグは・・?

 今回改良された「CX-3」のエンジンは、「SKYACTIV-D 1.8」を採用して排気量を300cc増量した。さらにターボのサイズアップを行い、応答性の向上を行ったようだ。販売不振を意識して投入されたガソリンエンジンは、さらに燃費などの改善を図ってきた。

【前回は】CX-3最大の弱点克服は成ったのか?マツダ・CX-3ビックマイナーチェンジ(1)

以前のCX-3を運転してみると、アクセルの踏み込みに対して、かなり応答性が鈍いと感じた。許せないほどのタイムラグを感じた。ロックアップ付きATとなっているので、CVTのようなタイムラグはなく、アクセルのドライブ・バイ・ワイヤーのセッティングのようだ。「お客様の要望で反応を落としている」との説明が営業マンからあった。

 ロードスターとロードスターRFでもアクセルレスポンスが変えてあり、RFのほうが若干鈍くセットアップされていた。これもライトウエイトスポーツとGTの味付けのようだが、これほど違いを付ける必要は感じられなかった。マーケットリサーチの結果であろうが、むしろ「これが車だ」とするドイツ車のような毅然とした姿勢が欲しかった。

■改良点その3: 歩行者の安全向上

 また、「CX-3」では、マツダの運転支援システム「i-ACTIVSENSE」の更新を行っているようだ。このシステムの更新が現在の自動車マイナーチェンジの目玉となるところだ。今回は「アドバンスト・スマート・シティー・ブレーキ・サポート夜間歩行者検知機能付き」がそれだろう。人間の「余裕を使い果たす」特性から考えると、レベル3までの装置で、緊急ブレーキなどを除いて、採用を禁止すべき装置も多いと感じる。これまでのように歩行者を認識できなければ、むしろウーバーの事故などのように装置に頼り切って油断するドライバーが出るので感心できなかった。歩行者の認知性能向上は歓迎すべき進歩である。

マツダは今回の変更で、「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」、「360°ビュー・モニター」、「自動防眩(ぼうげん)ミラー」などを追加してきた。現在のレベルに達していると言える。進歩の激しい電子装置は、どのメーカーも更新が激しくなってきた。パソコン、スマホでも言われている「3年たてば古代の遺物」と言える状態が、車にも出現している。

■G-ベクタリングコントロールの出来は?

 パッケージングなどマツダの得意とする分野で、CX-3は少々失敗してきたようである。クロスオーバーと言えどもラフロード性能、居住性能、荷物搭載性能などにおいては、CX-3は中途半端な狙いであるようだ。これまでセダン、ワゴンなどに求められてきた分野をSUVのスタイルで実現しているのだが、ディーゼルエンジンの高価格も手伝って、販売不振であるようだ。しかし、今回の改良は見るべきものがあり、操縦性ではG-ベクタリングコントロールなどの効果もユーザーに知らせるべきだろう。

 「人馬一体」と称してはいるが、この分野を感じ取れるのは限られた操縦感覚の持ち主だけであることから、宣伝方法の工夫が必要だ。全体に「素人」すぎるユーザーが多いことも安全を脅かす基礎となる。メーカーとしてのディーラーの質を高める意味からも、啓もう活動を強化すべきと感じる。「クルマは危険なもの」との認識が第一だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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