ガソリンエンジン熱効率競争 EVではCo2排出量は減らない 自然エネルギー発電の課題

2018年5月3日 20:42

 EVが推し進められる一方で、ガソリンエンジンの熱効率向上競争となってきた。これは当然のことで、EVは発電からの問題があり、一方でガソリンエンジンが背負っているのは、世界の多くの自動車産業に関わる人々の雇用だ。再生可能自然エネルギー(風力、太陽光、地熱、波力発電など)を推進したオーストラリア、ドイツなどが、結局火力発電を維持しなければならないなどで電力料金の高騰が起き、行き詰り状態を見せている。その中でEV化を進めると、Co2排出量は減らないどころか、増えてしまうことも考えられる。

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 ならば、「Well to Wheel」(油田から走行まで)を検証し、もっとも現実的で実現可能な方法を取らざるを得ない。そこでガソリンエンジンのCo2排出量を削減することが最良策となるかもしれない。どれほど削減したら火力発電よりも低いかを検証していくのだが、これも前提条件が多く確定は難しい。しかし、おおよそ熱効率で50%を超えると、天然ガス以外の火力発電の効率は超えることとなるようだ。60%を超えると再生可能自然エネルギー以外には、方法はないようだ。

 すると、ガソリンおよびディーゼルエンジンが目指すべきは60%以上となるのだ。60%の可能性においては、既に「新圧縮エンジン」が開発されている。レンジエクステンダーなどでの利用は、可能性が高いと見るべきだろう。しかし、ここでも落とし穴はあって、「絶対量の拡大」を阻止しなければ意味はないことなのだ。効率が良くなっても車の数が増えては、Co2排出量は減らない。それには生産活動を抑制し、産業を抑えることが手っ取り早い。つまりは車を造らないのが良いのだ。地球の温暖化を防ぐには、温室効果を生む物質を出さない、あるいは削減する必要がある。

 受け入れ安い方法では、「シェア」して車の絶対数を減らすことだ。公共交通機関を利用することはすぐにでも出来る。自動車産業を守り、雇用を確保するなら、「車重制限」する方法もある。例えば「800kg以下でならなければならない」などとすると、軽量な材質の開発が進むのと、大型車は排除されることとなる。もともと車両重量で排出量を変動させる規制は、「生ぬるい」のであろう。

 ガソリン、ディーゼルエンジンの熱効率の向上は歓迎すべきことだが、「40%を超えた」「スカイアクティブ-Xは50%にできる」「EVにすればよいのだ!」などで間に合うのだろうか?もう台数制限、重量制限などに踏み込む必要があるのではないか?アメリカがTPPなどを嫌って「新資本主義」が機能しなければ、経済活動は抑えられ、ちょうどよいのかもしれない?もしくは、中国が旗頭になって同じこと、つまり新資本主義が広がるのだろう?

 「人類は存亡をかけた状態」となり、「欲望の本質に向かい合う時」が来たのかもしれない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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