自動運転車の事故、レベル1~3賠償責任の方針固まる メーカーより個人負担重く

2018年4月5日 21:14

 自動運転車が事故を起こした場合、その責任がどこにあるのか、考え方・法整備など課題が山積している。そのうちレベル1~3と言われる最低でも「運転者が監視している」ことが必要なレベルについて、政府の考え方が示された。

■政府大綱の概要

 政府がまとめた制度整備大綱によると「一般車と同じ」とする基本的方針が示され、これまでと同じように「運転者に賠償責任がある」とされた。ハッキングによる事故については、盗難による事故と同じように政府保証とした。これで「メーカーの過大な負担がなくなった」として、「開発に弾みがつく」ものとした。

 原則として、「自動車損害賠償責任保険」が適応されることになった。メーカーは「明確なシステムの欠陥がある場合」責任を負うこととなり、現状がそのまま引き継がれた。事故解析のために、現在地、ハンドルやアクセル、ブレーキ操作などを記録しておく装置の搭載を義務付けた。その装置には、自動運転システムの稼働状況も残される。これはいわば航空機のフライトレコーダーを義務付けているのと同じだ。

■問題点

 ここに、現状のいわゆる「日本のPL法の問題点」が残された。確かにメーカー側としては「過度な責任を負わない」と言えるが、ユーザー側、つまり国民側は「問題を把握できない」ので、メーカー側が言い張ると責任を追及できない仕組みがそのまま残されることになる。日本政府は、どこまで産業界の味方なのであろうと言いたくなる。

 自動車の制御プログラムは膨大になり、「プログラムのバグ」は確実に存在している。しかし、事故になったとき、それを運転者側が知ることも、証明することも事実上出来ない。そこで欧米のPL法では、「メーカーの責任でないと証明できなければメーカーの責任」、つまり「欠陥があった」とすることを原則としてきた。それで、欧米のメーカーは問題があっても自分から認めようとはしない姿勢がきついのだ。しかし、日本でもメーカーが責任を回避する癖が強くなってきており、日本で製造者の責任を問うことは難しいのが現実だ。

 日本の「法体系の欠陥」と言える状態だ。このまま自動運転車のみならず、家電などあらゆるものにAIが導入され始めると、外国製品も多く、事故の責任をどのように負担していくのかが問われている。この中で今回の大綱では、いわゆる「ドライブレコーダー」が義務付けられるようで、この規格やブラックボックス化など厳格な運用がなされれば、国民にとっての救いとなろう。

 運転手側でも、少なくとも市販の「ドライブレコーダー」は備えておくのが良いのであろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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