自動運転車は本当に安全なのか?ウーバー自動運転車が歩行者はね死亡させる
2018年3月21日 06:47
ライドシェアのウーバーが進める自動運転試験車両が、運転士が車内で監視する中で歩行者をはね死亡させたようだ。米サンフランシスコ・クロニクル紙の伝えるところによれば、地元警察は、人間でも回避が難しい事故であったとみているようだ。歩行者の飛び出しが急であったようで、現在詳細は伝えられていないが、この事故が「自動運転車独特の新しい危険」であるのか否かが、大切なところだ。
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アメリカでは自動運転の実験を推し進めるため規制緩和が進められてきているが、すでに1000台ほどの実験車が走っている。今回の事故が起きたアリゾナ州では「無人自動運転(完全自動運転)」の実験も始まっていると言い、カリフォルニア州でも4月から無人自動運転が許可されるという。これからは、より条件の悪い夜間や雨天時などの実験が増えるとみられ、障害物を認識できなかった時など、今回のような深刻な事故が起きていることが気にかかる。テスラ車が、横切るトレーラーを認識できなかった死亡事故は記憶に新しいが、そもそもセンサーが物体を認識でいないという事故だった。車線変更時に人間の運転士と協調できず、事故になるケースが多いようだが、センサーが物体認識に失敗するという物理的メカニズムの限界なのか、車線変更のタイミングを逸したのかなど、ソフト面の問題なのか明確にしてほしいものだ。
運転支援システムでは緊急ブレーキが普及しているが、それによって追突事故が70%~80%も減っているというデータが、スバル、トヨタなどから相次いで公表されている。その一方で、テスラの事故では運転者が運転支援システムに頼り切り、前方の監視を怠っていたことも明らかにされてきた。完全自動運転車になったとき事故率が減るのか、それとも新種の事故が増えるのか?が一番の関心事だ。
そして、多分事故率は減るものと感じるが、完全自動運転に移行する前の段階で、人間の原因ともAIが原因とも判別できない事故を社会は裁かねばならない。そのため実験走行を進めなければならない一方で、関連する法整備も整えなければならない。事故が起きたとき、責任の所在をどのように配分するのか?現在の裁判所の判断は、ほとんど保険会社のデータに基づいているようで、責任配分をこのまま保険会社の判断に従ってよいのかも含めて、法整備が急務だ。
自動運転は、社会の生活に大きな変革をもたらすものと考えられる。社会全体でのメリットが大きい場合、自動運転により事故率が多少上がっても、社会は自動運転を受け入れていくだろう。AIと言ってもセンサーの精度で能力は決められてしまうので、高精度・高性能な信頼性の高いセンサーの開発は重要だ。またAIのプログラムに成功しても、センサーの精度を含めてシステムの機械的メカニズム部分が、追いついてきてくれるのかを注視するべきであろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)