清水建設のIFIS目標平均株価が意味するところ
2018年3月19日 21:35
周知のとおり東証1部企業のアイフィスジャパンが発信している株価情報に、「IFIS目標平均株価」がある。当該業界の担当アナリストに主要企業の株価予想を提供してもらい、その平均値を算出し公にしているものだ。全業界ベースでは約2000人のアナリストが協力している。株価に絶対はないし、ましてや私は投資顧問の資格など有していない。だが株式投資関連の記事を書く機会はある。そうした時には「△△銘柄のIFIS目標平均株価は〇〇〇〇円、アナリスト達は上値余地ありと見ている」といった具合に利用させてもらっている。
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ところで昨年11月「リニア談合疑惑」が表面化すると、大手4社をはじめゼネコン各社の株価が急落した。大手の一角で品川駅北工区などを受注していた
清水建設も11月6日の昨年来高値1396円から3月5日の941円まで下落し、本稿作成時の時価も900円台半ば。高値から3割近く値を崩している。だが依然としてIFIS目標平均株価は、「割安」の但し書きつきで1269円。談合は犯罪。認められるべきことではない。では清水建設のIFIS目標平均株価は、どう理解すればよいのか。兜町筋の見方は「是非はともかく犯罪と業績の綱引き。アナリストは後者に軸足を置いている証し」で、大方一致していた。またゼネコンを守備範囲とするアナリストは「自分の予想値は1300円台超」とした上で、こう指摘した。
「既に開示済みの4-12月期実は期初計画に対する進捗率で、売上高66%・営業利益79%強・最終利益84%。5月の本決算で利益上振れの公算大だ」
「貴方達が愛用する会社四季報も最新号で業績欄の見出しを、上向くとしている」
「今後の収益動向を見据える上で、シンガポールガンセンターの建設受注など好材料が多い」
「請負事業とは一線を画す、いわゆるPFI事業の注力を公にしているが自治体等との間で話がかなり進んでいる。LCV事業本部なる新しい看板を掲げたのはその証しだ」
あらためて、株式投資は多様な側面で捉えられると知らされた。(記事:千葉明・記事一覧を見る)