スバル・インプレッサ 特別仕様車「1.6i-L EyeSight S-style」を発売 商品力にふさわしい整備体制を!
2018年2月13日 07:01
スバルは2月26日にインプレッサの特別仕様車を発表、4月24日に発売する。2月1日より先行受注の受け付けを開始した。最近では先行予約を受け付けることで、生産計画のムダを減らすことが常識となってきた。
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スバルは新車検査、排気ガス測定値の改ざんが問題となっているが、商品力は極めて強く、残念な結果だ。
今回、スバル・インプレッサの人気仕様に「1.6i-L EyeSight S-style」を追加するのだが、エクステリア・インテリアともオプション部品を標準装備して価格を抑える「いつもの特別仕様戦略」で、販売促進を狙ってきた。インプレッサは、価格は安いレベルだが、車としての基本性能は見るべきものがあり、2016年の「カーオブザイヤー」を受賞している。
スバルの車種ラインナップの中では安いグレードなので、走行音などに難がみられる。電動シートなど上級グレードの装備品が省かれて、価格を安く抑えているのは致し方がないところだが、プラットフォームやサスペンションなど、走る基本性能を大切にして、上級グレードの車と遜色ないような装置としている。これは車を造る立場として、大切なことだ。利益率を上げることを優先し、見かけの装備を充実して、車の基本性能をおろそかにしてはならないのだ。
実際に試乗してみると、その素直な操縦感覚はとても200万円前後の車とは思えず、低速からしっかりと路面を捕まえる感覚には脱帽だ。直進でも、ワインディングでも修正舵は最小で、長時間のドライブでは明らかに疲れが違うことを感じさせる。この車に防音材を注意深くふんだんに使ったなら、1.6Lエンジンでも「GT」と名乗っても違和感はない。さらに「アイサイト」の性能は、未だ不完全としても進歩し続けている。この「運転支援システム」の先行で、スバル各車は「商品力」を格段に強くしている。
残念なことだが、ディーラー整備士の「技術レベル」が極めて低く、お客様に「ウソ」ともいえる「セールストーク」が横行して、日本市場では信頼を失っている。「お客様の立場に立って」整備のアドバイスを行える体制の整備を急がねばならないだろう。これはディーラーだけでなく、スバル(旧富士重工)本体での意識改革が必要だ。
電子制御を多く装備すれば、制御プログラムの「バグ」の可能性が高まるのは必定で、“機械仕掛けの誤差”と“制御プログラムの調整”のノウハウを、設計・製造・整備の過程に調和させる努力が必須だ。これを実現させるには、「品質保証」の実務的展開が分かる人材が必要だ。スバルに限らず、現代はファイナンス優先で経営者が選ばれるので、各社とも「品質保証体制」が崩れつつある現状認識が必要だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)