ディーラーでのバッテリーチェックにご用心 あまりにも短い寿命 本当の寿命は?
2018年2月7日 14:07
■ディーラーでのバッテリーチェックにご用心
「バッテリーチェッカーで調べたら、バッテリーが寿命です」とのこと。交換して2年目のことだ。バッテリーチェッカーなるものの存在はこの10~20年ぐらいのものだろうか?
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「最近の車は何かと電力を食うので、バッテリーの寿命が短いのです」「最近のバッテリーは、突然ダメになります」と、遂に脅迫じみた言い分までディーラー整備士の口から飛び出した。
その時は言われたままには交換せず、それから2年間。4年たった現在でも、未だにバッテリーは元気だ。ディーラーは、私と口論となり「ウソ」を言いまくったことになるが、謝罪はない。「売り上げを上げる」ためにディーラーは嘘をつくこともあるのだ。年々「お客様の立場でアドバイスをくれるディーラーではなくなっている」のを感じる。客に「ムダ金」を使わせることを「良い営業」と信じ込んでいるのが、現在の社会なのだろうか。
■バッテリーの寿命が縮むのは充電回数
バッテリーは、最近の車の「燃費向上のための仕組み」により「充電を小刻みに繰り返す」結果となり、大きな負担がかかるようになってきている。それを「充電制御バッテリー」と言われる仕様でカバーしようとしている。小刻みに充放電を繰り返す場面に強いバッテリーだ。具体的には、充電を受け入れやすくしてあるようだ。
発電機(オルタネーター)は、エンジン車では小さいとはいえ数馬力を食う。発電中はエンジンの負担になっている状態だ。そこで加速時・アイドリング時などには発電を切って、エンジンの負担を減らして燃費をよくする仕組みがある。また、エンジンそのもののアイドリングを、信号待ちの時に止めてしまう「アイドリングストップ」などの仕組みが普及して、バッテリーへの負担が大きくなってきている。
■充電制御バッテリーの保証期間と寿命
バッテリーの保証期間は3年となっている。これはかなり高負荷の状態で使っても3年は持つことを意味する。「品質保証」だ。だから「充電不足」は起きても、寿命はもっとあるはずだ。しかし、バッテリーチェッカーの計算方法に「充電量」が含まれているため、充電が不十分の時には「成績が悪い」と出てしまうのだ。
現代の燃費対策制御をおこなっている車にも対応できるようにしているのが、「充電制御バッテリー」だ。これには通常のメーカーで3年保証がついている。平均的には4年ごと、つまり車検2回に1回取り換える程度で十分だ。また、「バッテリーの状態を、セルを回した時分かる人」なら、回りにくくなった時に交換すれば十分だ。なぜなら、バッテリーを食うのは、ほとんどセルを回してエンジンをかけるときに限られるので、エンジンがかかっているときに問題が起きるのであれば「発電機の故障」だからだ。エンジンのかかり具合を見ていれば、バッテリーの状態は分かるものだ。
また、最近のアイドリングストップの車は、セルの回り具合が悪いと感じたらバッテリーを交換しておくことだ。街中では短時間に幾度も信号で止まるので、セルが回らないようになる危険がある。
アイドリングストップがない車であれば、オーディオ・GPSなどを装備していても弱電なので、とんでもなく大きなアンプを多数装備したりしていない限り、走っている間はエンストなどしない。「走っていると急に止まるぞ」とディーラーの整備士が私を脅していたが、ディーラーオプション程度の装備の車なので、これはひどい話だ。整備士は、現代の燃費規制でどのくらいバッテリーに負担がかかっているのか、車種によっての違いなど研究している者はいないようだ。
自動車メーカーは、「コンプライアンス・ガバナンス」について、ディーラーの末端まで注意しないとひどいことになる。「クレーマー対策」と言って、長年の良いお客様に「ひどいこと」を言ってしまっている実態を把握することだ。
■セールストークに対する対策
ディーラーの整備士・営業マンなどの、よく言えば「営業トーク」、率直に言えば「詐欺的商法」に惑わされないように、自分の車の装備品や使用状況を、客観的によく調べておこう。具体的には、数カ所の整備工場やショップで調べてもらって比較するのが得策だ。
またひどい「ウソ」と感じたら、率直に抗議しよう。近年「まともな商売」でも「詐欺的トーク」が多いのが気になる。営業トークを聞いているとまるで「詐欺師」だが、ディーラーが売っているものは「まともな商品」なので「詐欺罪」にはならない。だが、そんな「詐欺的トーク」の必要がないのに繰り返すのはどうしたことだろう。社会全体の問題ではないだろうか。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)