マツダ・CX-8大ブレーク 販売予定の10倍受注 3列シートが求められていた
2018年1月24日 17:21
マツダ・CX-8が発売後約1カ月となる2018年1月15日までに、月間販売予定台数の10倍、12,000台を受注したという。この大ブレークをどのように評価したらよいのだろうか?世界的にSUVの売れる台数が伸びている。日本ではミニバンがまだ人気があるが、世界ではSUVのようだ。
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SUVスタイルはラフロードカーの4輪駆動車から発生したと思っていた。ランドローバーやジープ、三菱・パジェロ、スバル・アウトバックなどが先駆者であると思っていたが、トヨタ・ハリアーあたりからは、SUVとは必ずしもラフロードカーではないと知らされた。現在ではポルシェまでもがSUVが人気であり、セダンとの違いを考えさせられる。
また、マツダ・CX-8で注目すべきは、購買層として30歳代以下が40%と若い層が支持していることがわかる。ミニバンブームの中で成長してきた購買層が、自分が家庭を持った時にも「走る部屋」のイメージが強いのであろう。子育て世代の当然の選択ともいえる。セダンに比べてミニバンは使いやすい。 しかし、そろそろミニバンに飽きが出てきたのであろうか、スタイリングではSUVが気に入られているようだ。また、3列シートの需要は基礎的なものなのかもしれない。
CX-8の車体寸法は、国内市場においてはかなり大きいといえる全長4900×全幅1840×全高1730mm、ホイールベース2930mm。エンジンは、マツダお得意のクリーンディーゼル2.2リッターエンジン・最高出力190ps、最大トルク450Nm、6ATを装備して、JC08モード17.6km/Lを達成している。価格帯は320万円から420万円ほどとお手頃価格の範囲に収めている。
しかし、これほど大ブレークする源は何なのであろうか?マツダはミニバンを廃止して、SUVを揃えて代替えをしている。CX-3、CX-5、CX-8を国内で揃え、北米ではCX-9を以前から販売してきた。国内もこれでそろったということであろう。
車の出来としては、CX-3はリアサスペンションに問題があるが、修正されてきている。CX-5には乗ってみたが、かなりの良い出来であると感じた。GVCとマツダが呼んでいる「電子ハンドリング」はかなり強力に制御しているが、気づくユーザーも少ないほど自然な出来で好感が持てた。何もしなくても、また無茶な荒い運転をしても、車が調整してくれる。逆に言えば、コーナリングなどの操縦性は「面白くない」ほど「何もしなくてよい」出来だ。
CX-8も、その大きな車体を感じさせないほど「よくできた実用車」といえる出来なのであろう。期待してよいようだ。そしてこの人気には、マツダ技術陣が丁寧に作り上げたカラーの存在を忘れてはなるまい。何層もの塗装を重ね、微妙な色合いをや輝きを選出したことが女性にも受けているのであろう。マシーングレープレミアムメタリックが全体の33%、ソウルレッドクリスタルメタリックが12%となっており、努力して演出した甲斐があったようだ。
これからのマツダの課題は「電動化」であるが、それはトヨタとの提携を進めて準備は万端なのであろうか?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)