新型アルファードのマイナーチェンジ、さらに大型化するグリルはカッコいいのか?
2018年1月17日 11:50
トヨタ・アルファードが、2018年1月8日にマイナーチェンジで発売となった。前モデルがフルモデルチェンジでフロントグリルが大幅に変わったとき、その巨大なグリルが話題を呼んだ。確かに、アウディなど海外も含めてどのメーカーも巨大化しているようにも思う。なぜ、フロントグリルの巨大化が必要なのだろうか?
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■狙いは個性?
2012年12月に発表された新型クラウン。あのボディカラーのピンクが衝撃だったのももちろんだが、フロントグリルも大型だった。この大幅なチェンジの大元は、豊田章男社長の「デザインをカッコよくしてほしい」との命令だったようで、デザイン本部長がそれに「個性」を付加した形で実現した。そして、それまでの無難なデザインからの脱却には成功したようだ。
2012年1月発表されたレクサスのフロントデザインも存在感のあるものだが、これは「スピンドルグリル」といわれ、台形と逆台形を合わせた形でちょうど糸巻の形に似ていることから名づけられている。前モデルのアルファードも同様のデザインだった。
■巷の反応はさまざま、プレデターの顔?
しかし、今潮流の大型フロントグリル、世間の反応を見てみると「怒っている人の顔みたい」「まるでプレデターの顔だ」「ロボットや怪獣」と威圧的に感じている人が多くいる。おまけにライトは細く鋭く切れ上がり、その表情に恐ろしさを感じる人もいる。けれど逆に人気もあって、それは社会環境に苛立ちを感じる人たちの共感を得ているからではないかとの論調もある。
たしかに、ミニバンが流行りだしてから車の形状は流線形から箱型になり、フロントが縦方向に平面的に立ち上がるようになった。そこを、無難なデザインから脱却するためにデザインに凝りだしたら、今度はまるでトラックのような面持ちになってしまっている。それは当然、威圧的に感じるだろう。筆者も同感である。
形状的に仕方がないミニバンだけでなく、セダンや軽自動車もその方向であるのに違和感のあるユーザーもいるようだ。今となってはフォルクスワーゲンのフロントデザインがスッキリ見えて、逆に個性が出ているように見えてしまう。
今回マイナーチェンジの新型アルファードでは、フロントグリルのデザインが改良され、縦のラインが強調されてスピンドルではなくなった。その分、グリルとしては面積が広がって格子も強調され、さらに巨大化された感がある。車の形が違うとはいえ、グリルが巨大だった大昔のボンネットタイプのトラックを思い出してしまうのだ。安全面ではどうなのだろうか?と心配してしまう。
そもそものフロントグリルの機能は、エンジンやラジエーターに空気を取り込み冷却しボンネット内の熱気を逃がすため、またエアコンの空気を取り込むためである。だから「なんでそんな形にしたのか理解に苦しむ」という声も理屈が通っているのだ。
しかし、それはもしかしたらスポーツカーからの固定観念であって、これからはコネクテッドカーの進展によって、スピードを楽しむものではなく、クルマは単なる「便利で快適な動く部屋」と化していく前兆なのかもしれない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)