トンチン年金型生命保険のお出まし 100歳生涯時代に向け
2018年1月9日 11:52
トンチン年金とは周知の通り、17世紀のイタリアの銀行家:ロレンツォ・トンテイ氏が考案した仕組み。一口で言えば「長生きすればするほど得をする年金型生命保険」。
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日本人は「これからますます長生きするようになる」といった試算が後を絶たない。例えば厚労省の2015年の「人口動向調査」をベースに「男性の現在の平均寿命は80.7歳、これが5人に1人が90歳以上になる日が遠からずやってくる。平均寿命87歳の女性では5人に1人が95歳以上生存する時代がくる」といった試算が歩き回っている。こうした情報は親御族の「長生きして子供たちに迷惑はかけられない」という思いを強め、トンチン型年金生保加入の背中を押す。
日本生命が2016年4月に発売した「グランエイジ」などもその一種。発売以来1年半余の昨年11月まで、約5万件の新規契約を獲得している。商品内容を大まかに説明すると以下の様な具合。
*無告知で50歳から87歳までの加入が可能。
*死亡保証金なし。解約返戻金や死亡保険金は払い込み済み保険料に対し7割程度。
その代わり・・・
*50歳で契約し80歳で払い込み満期の場合(10年確定年金型を選択すると)男性の月額保険料男性:3万3987円に対し存命の限り月額60万円の年金が支給される。
*厚労省のデータに基づく試算を元にすると5人に1人の「勝ち組(仮に90歳)」となると、保険料総額の140%余の年金が得られる。
同様の枠組みの商品を第一生命や太陽生命なども発売している。正確にはトンチン年金型とは異なるが太陽生命の「ひまわり認知症治療保険」が発売2年弱で累計販売件数が30万件を超すヒットとなっている。認知症の症状が180日間続くと300万円の一時金が支払われ、緩和・進行の遅れなどの治療に役立てることができる。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では100歳以上の人口は、目下7万人。これが50年には70万人になるという。
100歳生涯時代に向け3世紀前の「トンチン年金」の枠組みが脚光を浴び始めた。(記事:千葉明・記事一覧を見る)