テスラ、電気トラック「セミ」発表 電動はトラックに向く 後続距離800km
2017年11月21日 15:33
テスラは電動トラック「セミ」を2019年に生産開始するとして予約を開始した。現在、テスラは主力車種としていたEV普及車「モデル3」が、バッテリー生産の問題を起こしている状態のため、電動トラックの「セミ」の発表で市場の反応を注視しているものとみられる。
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発表されたデータでは、トラック単体では0~100km/hまでが約5秒、在来のディーゼルトラックでは約15秒と見られる。荷物を満載して約36tだが、この状態でテスラ約20秒、ディーゼル約60秒と見られている。また勾配が5%あっても100km/hで登れるとしている。在来のディーゼルトラックでは約70km/h程度にとどまるとしている。
これらの性能は高速運転よりも、低回転でトルクの強いモーター駆動が適している分野で、電動車の中ではトラック輸送部門がもっとも向いていると言える。AI自動運転も電動化も、最初に導入すべきはトラックであるのだろう。実験段階では夢のあるスポーツカーなどが脚光を浴びやすいが、実用段階となったのなら、トラックは燃費が同じならば電動とすべきかもしれない。
モーター駆動の最も得意とする場面で、1回転目から最大トルクを発揮できる特性があるため、運転が楽になることが考えられる。ギアチェンジの必要性がないので、緊急ブレーキ、前車追従、自動車線維持装置など運転支援システムの進歩が伴うと、かなり運転の疲労が少なくなるメリットがあるだろう。将来、完全自動運転が可能になると、トラック輸送では恩恵が多くあるだろう。
航続距離は約800kmと発表されている。新型急速充電器は640km走行分を約30分で充電できると言う。またバッテリー搭載で重心位置が下がり、操縦性に寄与していると言う。バッテリーの開発が進んで航続距離がもう少し延びることが期待できるが、トラックではエンジン、ミッション、排気系などの替わりにバッテリー搭載量が増やせるのなら、すでに実用レベルに達しているように感じる。電動システムはミッション、デフ、エンジンなど整備の必要のある部品が減少して、整備代金なども安くなる。案外、トラックが電動車普及の先頭となるのかもしれない。
この性能が本当に保証されてAI自動運転の進歩が伴うと、トラック輸送に革命が起きるかもしれない。確かに電池の開発が進むと、急速に普及するジャンルと見える。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)