【トヨタ・次期クラウン】TNGA適合のFR仕様 頑固で新しい「ゼロクラウン」
2017年10月8日 06:59
早ければ2018年7月、トヨタ・クラウンがモデルチェンジするもようだ。2017年10月の東京モーターショーでコンセプトモデルを発表する。1955年に初代が発売されて日本の高級車の地位を作り上げてきた、15代目新型クラウンだ。
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1955年発売当時からしばらくすると注目されたのが、フレームのあるアンダーボディ構造だった。セダンが軽量に造れるモノコックボディに移り行く中で、あえて梯子型フレームを踏襲してきた時期があった。Xフレームと言って柱を胴体中央でクロスさせる構造を取ったり、あえてフレームのある構造を打ち出していた。
それはユーザーに保守的層が多く、モノコックボディーでは「弱いのでは?」との当時の懸念を考えてのものだった。そのころから「クラウンのユーザーは浮気しない」といわれ、代々クラウンのみを買い替える固定ファンが存在した。
今回の新型クラウンでは全幅1800mmを変えなかった配慮に、保守的ユーザーが存在する気配を感じさせる。むろん現在のクラウンは「黒塗りの法人車」や「黒塗りの公用車」が思い浮かぶが、これらが影響を見せているのかもしれない。
「いつかはクラウン」と日本の高級車として、あこがれの的であった時代から、ベンツ、BMWなどドイツ製の高級車が日本市場で台頭してきて最高級車とならなくなり、「ゼロクラウン」と「始まり」のスポーティーセダンとしてイメージを変えてきた経緯がある。
15代目の新型クラウンは、TNGA適合プラットフォームを使用している中では、初のFR仕様となった。プリウス・カムリなどFF車が大勢となった現在で、わざわざFRとしたことにクラウンの歴史の重さを感じる。現代のFFなら日常の使用でFFかFRかを意識する必要もなく、居住スペース確保や、軽量化などを重視するには有利なFFを使うのが得策だ。
パワートレインは、スペックを見ると新型カムリと同じもののようで、クラウンもHEVを主体にするようである。「頑固で新しい」新型クラウンの登場である。
興味をそそるのは「FFとFR」をカバーするTNGA適合のプラットフォームで、いよいよ生産効率を上げてきていることが推し量れる。FFとFRを共通プラットフォームとする技術は、TNGAの真骨頂でありながら、全く自動車ジャーナリストに注目されないが、新型クラウンで最も注目すべき技術革新であろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)