【新東名の最高速度を引き上げ110km/hに】で、知っておきたい高速道のこと
2017年10月2日 16:15
警察庁は2016年に、高速道路において安全の条件を満たす一部区間にて規制速度を100km/hから120km/hへ引き上げる方針を発表していた。2017年から段階的に始められるということだったが、今回は新東名高速の新静岡IC~森掛川ICで、規制速度を110km/hに引き上げて試行実施区間とする。
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上り線が49.7km・下り線50.1kmで適用されるのは、これまでの規制速度が100km/hだった普通車などで、80km/h規制の大型貨物、トレーラーなどは対象外である。
■道路には「設計速度」がある
今回、最高速度110km/hに引き上げとなった区間は、「設計速度」が120km/hの高規格道路である。設計速度というのは制限速度とは別で、「道路構造令」により定められている。道路の種類(一般道路から高速道路まで)や計画交通量、地域特性等により区分され、それぞれ設計速度が違っている。設計速度を設定する目的は事故防止であり、本来は限界スピードまで使用しないためである。
高速自動車道は第1種道路で、その交通量や地形等によりさらに第1級から第4級に区分され、最も設計速度の大きい第1種第1級の場合120km/hである。調べてみると、意外と複雑な規定により設定されているのに驚かされる。今回の対象道路は、その第1種第1級の道路である。
さらに、新静岡IC~森掛川ICは他の高速道路に比べて、事故による死傷率が3割ほど低いと評価されていることもある。
■最高速度120km/hになるのはいつか?
今回の試用区間で最高スピードや事故率などの関連を検証していき、安全の確認がとれていけば、全国の対象区間を増やしていくことができ、山間部や事故率の多いなど危険な区間を除いて120km/hになる可能性もある。
しかし、低速車との速度差が大きくなることも問題として取り上げられており、ドライバーの運転技術やモラルがより一層大切になってくる。最近は、低速であるのにもかかわらず追い越し車線を走り続けてしまう「通行帯違反」が多くなっているといわれている。これは、れっきとした交通違反であると同時に事故原因になる可能性もあることから、まずは交通法規をしっかり頭に入れておく必要がある。また、周囲にいるクルマの挙動をミラーでチェックしながら運転することも、事故防止をするための運転技術である。
制限速度が一定に設定されていても、自動車のタイプによって限界スピードは変わってくることも覚えておこう。例えば、重心の低いスポーツカーと高いワンボックスカーとを比べれば、カーブでの横Gに耐えられる限界などは違うはずである。車重やタイヤの性能、路面の状況によっても違ってくる。自分の運転するクルマの限界点を意識しながら運転するのも、安全運転のコツである。(決して限界に挑戦しろと言っているわけではない。)
使いやすい高速道路にするのは、ドライバーの腕にかかっているといってもいいだろう。また今回の試行区間では、高速道路交通警察隊のパトロールを強化されるようである。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)