企業の上方修正も様々 北の達人コーポレーションに見る事例
2017年9月30日 11:34
9月22日時点で今期収益の上方修正を行った企業は、100余社に及ぶ。だが上方修正の在り様も一様ではない。様々だ。
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先に第1四半期の開示と同時に大幅な上方修正をした「キヤノン」の何故を記したが、「売上高」だけを修正し「利益」は据え置きというケースもある。例えば北の達人コーポレーションなども、そんな1社。
札幌証券取引所の単独上場だった(2015年11月に東証1部にも籍を置いた)同社をはじめて取材したのは、13年2月だった。「中小企業IT経営力大賞2014」で『大賞(経済産業大臣賞)』を受賞したという報道に接したのが、きっかけだった。「収益動向の推移」「財務状況の整備体制」から「東証上場を視野に入れているのか」と質したが、かわされてしまった。当時もいまも、北の達人のビジネスモデルは全く変わっていない。
サッポロを拠点に独自開発の健康美容食品や基礎化粧品の、ネット通販を展開していた。東証上場は「(商品に対する)自信」に基づいた「全国展開」の狙いがあったからに他ならない。
同社の代表商品に「カイテキオリゴ」がある。オリゴ糖・ブドウ糖・果糖など複数糖の結合体商品。食品や消費生活製品の国際的な評価機関である「モンドセレクション」から、今年まで6年連続してダイエット食品部門で「最高金賞」を受賞している。他の商品も例年「賞」を受けているが、詳細は同社のホームページでご確認を。
そんな北の達人が既に実施した上方修正とは、前期の大幅増収・増益を受け今期も「2桁の増収・増益」で立ち上がったが、第1四半期開示と同時に「売上高計画を30億円から39億6900万円」に修正。だが「今期も新規顧客開拓、集客体制強化策負担で」を理由に、利益は7億7000万円(営利)・5億3300万円(純益)に据え置いた。対して9月中旬発行の会社四季報最新号は業績欄を【増益続く】の見出しで「人件費や広告宣伝費急増だが、増収効果でこなす」とし営利を独自に上乗せした。更には来期についても15%増益とした。
妙な言い方だが、会社側が勝つか四季報が勝つか興味深い。(記事:千葉明・記事一覧を見る)