【日産リーフe-Pedal実走行体験】裏事情は弱点克服 回生ブレーキでは止まれないEV

2017年9月13日 16:32

 日産自動車の「リーフ」がフルモデルチェンジし、10月2日に発売される。先だってメディアのコマーシャルでアクセルペダルだけで発進、停止までできる機能が、評判を呼んでいる。何といっても1ペダルで、日常はブレーキペダルに足を掛ける必要もない操作感覚はどのようなものなのか?

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 現在、発売されていないので、まだ体験することは不可能か、といえばそうではない。

 店頭では「ニッサン・NOTE・e-POEER」で体感することが出来る。NOTEはハイブリッド車をe-POWERと称してJC08モードで34km/L程度の燃費を持つ車だ。プリウス程度の燃費を持ち、HVだが、エンジンは発電専門だ。それでもエンジンはアクセルに反応して回転数が上がる。走行スピードとは必ずしも一致しないエンジン音に違和感があるが、思ったより高回転にはならず、街中の走行では、かなり良く同期させている。2,000回転ぐらいまでのようだ。

 モーターはかなり低速トルクが強く、街中の走行では十分以上のトルクで力強い加速力を示す。気になるのは、100km/hを超える巡行では、燃費(電費)ではかなり不利になるのがモーターで、リダクションギアのセッティングで高速モードがないと実用にならないはずだ。

 さて1ペダルで走行を行うことが出来るようになっており、それは3モードの走行モードの内、2モードで体感できる。スタンダード・モードが、これまでのブレーキペダルを踏む必要のあるモードになっていることから、アクセルを放すとブレーキがかかるモードは「特殊なモード」との位置づけのようだ。

 スポーツモード、省燃費モードでは、アクセルを放すとブレーキがかかるモードになっている。

 新型リーフのe-Pedalと同じ操作感覚になるモードでは、アクセスを放すと「回生ブレーキが働いてエンジンブレーキで減速・停止する」との説明だった。しかしこれは間違いであろう。

 アクセルだけで加速し、減速するシステムでは、ブレーキングをして止まろうと狙った場所より、かなり手前で止まってしまう。これまでの運転感覚で、アクセルを放して、減速しながらブレーキをかけて静かに止まる地点よりも早く、ブレーキがかかるのだ。むしろアクセルを少々開けて停止位置を調整する必要が出てしまう。これは慣れることで、ずれは解消するであろう。

 問題は「回生ブレーキで止まる」としていたのだが、完全に停車するので、油圧ブレーキを併用していることは間違いない。さらには回生ブレーキだけでは、エンジンブレーキと比較して、状況にもよるが「止まらない」と感じる。これはEVの欠点でもある。新型プリウス、新型カムリなどでもエンジンブレーキのかかり方が不足している。もちろん回生ブレーキは使っている状況だ。

 e-PedalはEVのエンジンブレーキ不足を補うために考え出されたメカニズムなのかもしれない。通常モードにするとアクセルを放しても、のめるように走ることで分る。リーフで話題にしているe-Pedalを強調するためのセールストークとして「回生ブレーキだけで減速している」としたのであろう。

 e-Pedalは、なれると大変便利な機能だ。問題は、これほどブレーキペダルを踏まないことになれてしまうと、「緊急ブレーキが踏めなくなる」ことだ。現在でも日常運転で安定している人は、パニックブレーキを踏んでいない。すると自分では最大限ブレーキペダルを踏んだつもりでも、甘いブレーキングになってしまうことが起きる。

 パニックブレーキが必要になっった時、フルブレーキングを踏めるのか、今でも不安が残る。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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