【トヨタ・新型カムリはおじさん車?】目標の5倍受注も大半が40代以上
2017年8月12日 20:06
トヨタ・新型カムリは、発売から1カ月の受注台数が1万1500台ほどで目標2400台の5倍近くと好調な実績を残している。しかし、オートックワンによると、そのうち60歳以上が5割、40歳~50歳代が4割と「高齢化」が著しい。これは想定内なのか、想定外なのか?初期の受注だけの問題なのか?しばらく様子を見るしかあるまい。
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セダンが若者に人気がなく、SUVやワンボックスに人気があるのには訳がある。かなり昔から言われてきたことだが「日本の住宅事情」が関係しているとみられる。さらに最近では若者の「物理離れ。苦手意識」がひどく、レースなどに関心が薄い。
車のメカニズムに対する意識がなく、運転も車のメカニズムとの関連を考えない。これは少々危険で懸念すべきことだ。この流れはやはり戦後のベビーブーム世代の子供たちの特性であろう。つまり平和な時代が続き、男たちは「働き蜂」で家庭を振り返る余裕がなく、女性の発言権が強くなる中で、どうしても男児の「草食化」が進んでいるのであろう。「女に育てられた男児」の特性が現れている。
日本の家庭の問題で、子供たちは「動く車のメカニズム」ではなく「自分の動く部屋」を求めて、ミニバン、SUVなどに興味が向いているようだ。「速く足る」ことには、極端な暴走族、ドリフト族の集団となり、少数派となっているようだ。
運転に関しても「運動神経」が違った方向に鋭くなった分、動いている車を運転する感覚ではなく、画面の中の操作の感覚だ。つまりゲーム感覚は全体に強いと見ておくべきであろう。好みは自由だが、デザインも劇画風が流行っているのが感じられる。また視野が狭く、相互の関係性を取ることが苦手だ。その分、運転するとわがままで強引なところが出てしまう。運転としては「下手」と言えるレベルなのだ。
トヨタ・新型カムリは、そんな日本の社会情勢の中で、アメリカ生まれの感覚で設計されている。TNGAでデザインされた共通プラットフォームを使い、生産性を上げているのだが、車の基本的性能に関与する重心の低さは、褒められるべきであろう。SUVのC-HRと共通プラットフォームとはとても思えない出来栄えと言えるであろう。
操縦性重視の姿勢で、ドイツ車が世界に示してきた素直な操縦感覚を追及している。トヨタ車は、元来日本の交通事情を考慮して、弱アンダーステアのハンドリングを基本としてきた。ハンドルが効かない感覚だ。それをニュートラルな感覚にすると、切りすぎて危険な面もある。しかし、日本でもドイツ車のニュートラルな操縦性に慣れてきて、トヨタ車のハンドリングを物足りないと感じるユーザーも増えてきた。
標準車の17インチ215/55のタイヤは、日本の道路事情との妥協点としては、ベストチョイスであろう。18インチでは日常使用では、乗り心地が悪い。高速中心のユーザーは18インチが相当であろう。
60代男性のステータスシンボルは、かつてクラウン、マークⅡであり「高級セダン」なのであろうか?トヨタ・カムリは、そこにはまったのかもしれない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)