ソニーのストリンガー会長、個人情報流出で利用者に謝罪

2011年5月6日 13:59

 ソニーのハワード・ストリンガー会長は5日、同社のインターネットサービスがハッカーの攻撃を受けて個人情報が大規模に流出した問題に関して、ブログ(blog.us.playstation.com)で謝罪の声明を発表した。

 ストリンガー氏は声明で、同社が攻撃による影響の調査とサービスの復旧に全力を傾けていることを強調。これまでにクレジットカード、個人情報が悪用された例は確認されていないと説明した上で、1ユーザーあたり最大100万ドルの補償を含んだプログラムを同日開始したことを明らかにした。

 個人情報流出の被害者に対しては、「皆さんが(今回の事件で)いらだたしい時間を過ごしているいることを承知している」「企業として、個人として、今回の攻撃によってご迷惑と心配をおかけしたことを謝罪する」と述べている。

 また、事件の発表がハッカーの侵入を確認してから1週間後と遅くなったことについては、「当社の実際の行動よりも早くユーザーに通知をすべきだと一部で考えられていることを認識している。もっともな意見だ」と批判を受け止めた上で、「不正侵入の可能性を発見してから可能な限り早期にプレイステーション・ネットワークとキュリオシティを停止し、この領域で最も優れた複数の専門家を雇用した。我々は必要としている回答を早期に得られることを望んでいたが、分析は複雑で時間を要するプロセスだった。ハッカーは、痕跡を最大限隠蔽していたため、専門家が痕跡を発見し、どの個人情報が取得されたたのかを同定するのに時間を要した」と釈明した。

 ソニーは先月、ゲーム機「プレイステーション」向けのサービス「プレイステーション・ネットワーク(PSN)」と動画・音楽配信サービス「キュリオシティ(Qriocity)」のシステムからユーザーのアカウント情報が漏洩していた恐れがあると発表(関連記事)。平井一夫副社長らが5月1日に会見を開き、陳謝していた。ストリンガー会長が事件に関して公に見解を示したのは今回のブログが初めて。

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