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阪急・阪神の再来? 旧村上ファンドが仕掛ける京急と京成の行方は
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●京急株と京成株が急騰
京浜急行電鉄と京成電鉄の株価が、旧村上ファンド系の会社が株式取得を進めているとの報道を受けて、急騰した。ともに25日には、約15%上昇している。
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アクティビスト(物言う株主)として知られる旧村上ファンド系の投資会社の参入により、株主還元の拡充や経営改革に対する期待と思惑が先行している。
2006年の阪急阪神ホールディングスの誕生のきっかけとなった村上ファンドだが、当時のような両社の合併はあるのだろうか?
●村上ファンドがきっかけとなった阪急阪神
2005年9月頃から、阪神電気鉄道の株価が上昇していた。当時、阪神タイガースの2年ぶりの優勝が見えてきたことが原因と考えられており、対策は取られなかった。
同年9月27日、村上世彰氏が代表を務める村上ファンドの大量保有報告書により、阪神電鉄と阪神百貨店がそれぞれ約26%、約18%保有されていることが明らかになり、村上ファンドが筆頭株主であることが発覚した。
村上氏は阪神タイガースの株式上場などの提案をし、阪神電鉄側は京阪電鉄との統合交渉などで対抗した。
村上氏は役員を送り込み、経営に参画しようと試みたが、村上ファンドの証券取引法違反により、村上氏が逮捕・代表辞任となり、断念した。
その間に阪神は阪急HDに経営統合を提案しており、2006年10月1日より阪急HDは阪神電鉄を完全子会社化し、阪急阪神ホールディングスとなった。
●京急と京成も合併するのか?
両社とも当時の阪神のように無警戒ではない。
旧村上ファンド系の保有比率は、京急では5%前後、京成に関してはまだ1%未満と見られており、当時の阪神とは状況が大きく異なる。今のところ株価が期待先行しているに過ぎない。
ただ、旧村上ファンド系の会社は複数あり、実態がつかみにくい。
京成電鉄は英国のパリサー・キャピタルと言うアクティビストに2%弱保有されている。
11月26日には、東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランド(OLC)の株式を1%売却したが、これが以前からのパリサーからの要求に応じたのか、旧村上ファンド対策なのか分からない。
時価総額や売上・営業利益が同じくらいの両社であるが、合併にはあまりメリットが見えず、仮に旧村上ファンドが保有割合を増やしても合併を提案するかは未知数である。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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