進化するコンビニ カワイイお酒の先行販売から、地元コラボ商品まで

2024年8月11日 18:37

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

ローソンでは、地域の団体や企業などと連携して、地元の名産品や旬の素材を活かした商品づくりにも力を入れている

ローソンでは、地域の団体や企業などと連携して、地元の名産品や旬の素材を活かした商品づくりにも力を入れている[写真拡大]

 今や、日本全国、どこに行っても見かけるようになったコンビニエンスストア。日本ソフト販売株式会社の集計によると、2024年1月時点で営業しているコンビニエンスストアは全国で56505店舗あり、その約9割にあたる51074店舗をセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンのコンビニ大手3社が占めている。

 コンビニエンスストアは、その名の通り便利な店だ。ファミリーマートが埼玉県狭山市に実験第一号店を開業したのが1973年のこと。諸説あるものの、これが日本スタイルのコンビニ第一号店ともいわれている。それから50余年。コンビニは徐々に進化を遂げていき、食用品や日用雑貨だけでなく、チケットの手配や公共料金等の支払い、銀行のATM、医薬部外品や酒類、煙草の販売など、どんどん取り扱う商品やサービスを拡大していき、2008年には遂に、全国のコンビニエンスストア年間売上高が初めて全国の百貨店年間売上高を抜いた。

 そんなコンビニエンスストアは、各種商品メーカーにとっても、消費者の需要や動向を掴みやすく、販売戦略の重要な拠点となっている。

 例えば、日本酒大手の白鶴酒造は今年6月11日から、他の量販店等での販売に先駆けて、全国のローソン店舗で「ぷるぷる桃酒 240ml」を期間限定で先行販売していた。「ぷるぷる」シリーズは、ぷるぷるした食感が楽しい、デザート感覚で楽しめるお酒のゼリーだ。ひんやりぷるぷるしたゼリーの食感と、口の中でシュワっとはじける炭酸が好評で、同社のヒット商品だ。「ぷるぷる桃酒」は、山梨県産もも果汁を使用した優しい味わいでピンク色のパッケージも可愛らしい。通常の「ぷるぷる」は190mlサイズだが、「もう少し飲みたい」という声に応えて、シリーズとして初めて240mlサイズに展開したのだ。

 味はもちろん、見た目の可愛さ、面白さなども相まってSNSで話題を呼んでいたこと、顧客の要望に応えた新容量だったこともあり、過去の「ぷるぷる」シリーズの実績と比べて、週販が約2倍、発売一カ月でカバー率も大きく上回ったという。期間限定の先行販売であったため、販売は一旦終了しているが、今後の展開が楽しみだ。

 また、ローソンでは、自治体と提携したアンテナショップを展開して、各地域のおすすめ品を販売するとともに観光情報も提供していたり、地域の団体や企業などと連携して、地元の名産品や旬の素材を活かした商品づくりにも力を入れている。

 例えば、東北地方のローソンでは、秋田県立金足農業高等学校の生徒らとの共同開発で、秋田県産の米粉、卵を使用したパンケーキに秋田県産のブルーベリーのジャムをサンドした「金農パンケーキ(ミックスベリージャム&ホイップクリーム)」を販売したり、近畿地方のローソンでは、関西ではお馴染みの旭食品の「旭ポンズ」によるコンビニ初のコラボ商品「からあげクン 旭ポンズ味」を展開している。他にも、その地域だけのローソン商品が数多く展開されているので、旅行などで出かけた際にはローソンに立ち寄って、レアな地元商品を探してみるのも旅の思い出の一つになるのではないだろうか。

 ローソンだけでなく、セブンイレブンでも例えば、おでんなどに使う「だし」や「つゆ」の味や、麺類の太さや形状、食感などを商品ごとに変え、地域の嗜好に細かく配慮した食品づくりを行っているので、食べ比べてみるのも面白いだろう。

 一方、ファミリーマートでは、独自のユニークな戦略を展開している。日本最大級の総合ディスカウントストアのドン・キホーテと業務提携したり、オフィスビルやホテルなどの施設では通常路面店とは異なる独自の店舗デザインで「日々の生活に楽しさを提供する」ことをコンセプトとした「ファミマ!!」を出店している。

 通勤や通学などの帰り道、ついつい立ち寄るコンビニエンスストア。そんなコンビニは今や、便利なだけではなく、見て回るだけでも楽しいスポットに進化している。今日もまた立ち寄れば、何か新しい発見があるかもしれない。(編集担当:今井慎太郎)

■関連記事
東京-大阪・自動物流道路「30年代一部運用」
10月から「置き配」など利用者にポイント還元
2024年の展望 流通大手2社

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事